中高生が震災学び、復興応援 神大付属中等教育学校、白川台中
2015/07/17 13:57
被災企業の復興の歩みについて講演を聴く神戸大付属中等教育学校の生徒ら=神戸市東灘区住吉南町4
20年前の阪神・淡路大震災を学ぶ。東日本大震災後を生きる人を応援する。中学生や高校生がそうした取り組みを続けている。「できることは小さくても、まず行動」。熱い思いが原動力になっている。(中川 恵、中務庸子)
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20年前、地元企業が直面した危機を通じて、震災への理解を深めようと、神戸大付属中等教育学校(神戸市東灘区住吉山手5)の4年の生徒約170人が16日、白鶴酒造(同区住吉南町4)を訪れた。同社の大利清隆総務人事部次長が「その時、私たちができること」と題して講演した。
同校の4年生は、東日本大震災で被災した仙台市立仙台青陵中等教育学校と交流し、神戸の経験と合わせて、復興の在り方を研究している。震災の記憶を持たない生徒は、家庭や地域から学ぼうと、講演を依頼した。
同社の鉄筋の酒造蔵では、貯蔵タンクが破損し、出荷前の酒が流出した。大利次長は、割れた瓶の回収や残った商品の出荷準備に休日返上で取り組んだことや、社員用の風呂を市民に開放したエピソードを紹介。「これまで商売を支えてくれた地域の人に恩返しができた」と振り返った。
同校の小黒浩平君(15)は「企業も地域復興に関わったと知って驚いた」と話した。
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東日本大震災で家族を亡くした子どもや仮設住宅で暮らす高齢者と交流するため、白川台中学校(神戸市須磨区白川台1)の生徒16人が27~30日、宮城県石巻市や仙台市を訪れる。16日の結団式では、活動内容を全校生徒に話した。
「東北・神戸こころの絆プロジェクト」と題した取り組みで、訪問は今回が4回目。プレゼントとして、全校生徒が塗り絵カードやしおり、コースターを作った。
結団式では、石巻市子どもセンターと仙台市内の仮設住宅で取り組む活動内容を紹介。現地で披露する歌を、自分たちで考えた振り付きで歌った。
3年の西山琢人君(15)は「僕たちが忘れていないこと、笑顔で過ごしてほしいと思っていることを伝えたい」と話した。