借り上げ復興住宅 継続入居判定、再び「不可」

2016/12/29 23:09

 兵庫県が都市再生機構から借り、阪神・淡路大震災の被災者に提供した「借り上げ復興住宅」の借り上げ期限が迫っている問題で、県は12日、継続入居を求めて再判定を申し立てた神戸市中央区の沖銀波さん(64)に再び、継続入居を認めない「不可」と通知した。 関連ニュース 「復興見守って」東日本の犠牲者追悼 神戸・三宮 岩手・陸前高田市長「寄り添う復興を」神戸で講演 熊本、東北の被災者も祈り 神戸の復興に思い重ね

 県は昨年、2016年度が借り上げ期限となる世帯のうち87世帯から申請を受け、医師や弁護士ら5人でつくる判定委員会が85世帯の継続入居を認めた。沖さんを含む2世帯は「不可」とされ、沖さんは2月、初の再判定を申し立てていた。
 県は継続入居を判定できる基準を「要介護1以上」や「中度障害以上」などとしている。沖さんは再判定に向け、あらためて要介護度や障害程度の審査を受けたが、「特別な事情」がなければ継続入居が認められない「要支援2」「軽度障害」にとどまっていた。
 判定委員会に県職員6人を加えた再判定会議は「住み替えにより日常生活に著しい支障が生じるとまでは言えない」などとして「特別な事情」がないと判断した。
 これに対し、沖さんの弁護団は「沖さんは障害程度と介護の必要性が重なっているのに、形式的な基準で切られた。問題のある判定結果だ」とし、沖さんは「結果を聞き、さらに住み続けたい思いが強くなった」と話した。(高田康夫)

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