震災で犠牲の先輩しのび黙とう 三田学園野球部
2017/01/18 23:32
震災で犠牲になった藤田伸哉さんを悼み、祈りをささげる野球部員ら=三田市南が丘2、三田学園
兵庫県三田市南が丘2の三田学園では17日、阪神・淡路大震災で亡くなった元野球部員の藤田伸哉さん=当時(17)=をしのび、中学・高校の野球部員ら約60人が黙とう。遺族が同学園に寄贈した桜の木の周囲に集まり、手を合わせた。
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藤田さんは高校2年だった22年前、同学園へ通うために暮らしていた宝塚市内の祖父母宅で被災し、他界した。同学園の在校生で唯一の犠牲者だった。藤田さんの両親が寄贈した5本の苗木はグラウンドのそばに植えられ、後輩たちを見守る。
中学時代に所属した野球部で藤田さんを指導した吉川博信教諭(50)は後輩たちに「一生懸命、野球に取り組む強い生徒だった。今、好きなことに取り組めている幸せに感謝して」と語り掛けた。
部員は一人一人、桜の根元に線香を上げた。高校野球部の江下慧(さとし)主将(17)は「同い年で亡くなった藤田先輩の分まで、悔いのないようチーム一丸となって結果を残したい」と表情を引き締めた。(神谷千晶)