「母亡くした私を支えてくれた存在」神戸レインボーハウスで遺児交流

2018/01/14 06:30

阪神・淡路大震災で亡くなった母幸美さんへの思いを読み上げる福井友利さん=13日午後、神戸市

 神戸市東灘区にある阪神・淡路大震災で親を失った子どもたちのケア施設「あしなが育英会神戸レインボーハウス」で13日、阪神・淡路大震災と東日本大震災それぞれの遺児らが交流する会が開かれ、失意の中、周囲の人に支えられてきた心情を明かした。 関連ニュース 【速報】兵庫県で新たに75人感染、5人死亡 新型コロナ 神戸市で33人感染、2人死亡 新型コロナ 【速報】兵庫で新たに70人コロナ感染、4人死亡

 三田市の会社員福井友利さん(27)は、4歳の時、阪神・淡路大震災で母幸美さん=当時(31)=を亡くした。年を経るにつれ、母親がいる友人との違いを感じるようになった。通っていたハウスで、同じ立場の遺児の友人ができ、「寂しさを吐き出せる今も大切な存在」になったという。
 東日本大震災の後は、東北を訪れ遺児を励ます。「就職や進学の壁にぶつかると思うが、心配してくれる人がいると思ってほしい」と支え合う気持ちを語った。
 東日本の被災地から訪れたのは岩手県陸前高田市で教育施設の管理人を務める高橋一成さん(50)。妻貴子さん=当時(46)=が亡くなり、5人の子どもが残った。「どうやって育てていけばよいのか」と途方に暮れたが、現在は遺児同士が交流する場に足を運ぶ。
 「震災を経験しなければ、なかった出会いがあり、少しずつ生活を取り戻せた。いつか妻に、子どもたちはたくましく育ったよと言いたい」と前を向いた。

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