災害への備え高めて 県警が総合警備訓練

2018/01/15 22:09

救出訓練に取り組む広域緊急援助隊の隊員ら=神戸市北区鳴子3

 都市での直下型地震の発生を想定した兵庫県警の総合災害警備訓練がこのほど、神戸市北区であった。広域緊急援助隊などの警察官ら約200人が災害時の救助方法を確認した。 関連ニュース 特殊詐欺、自転車事故減らすには? 警察署協議会の代表者会議で取り組み共有 神戸 兵庫県警 神戸で4年ぶり「逮捕術大会」開催 400人出場 大規模災害に備え、初動訓練 市・県・警察・自衛隊・住民ら420人 避難所開設、土のう設置、人命救助…

 阪神・淡路大震災では、がれき解体用のチェーンソーなどの資機材がわずかで、災害時の体制も不十分だった。震災直後に結成された同隊は自衛隊などと連携して訓練を行い、東日本大震災では岩手県釜石市などに派遣され救助活動に従事した。
 訓練は2009年に閉校となった鈴蘭台西高の校舎で行った。マグニチュード9・1の地震が発生したと想定。県警の訓練では初めて住民参加を取り入れ、地元の星和台小学校と星和台中学校の児童、生徒ら計約460人も参加。警官らが子どもたちを安全な場所に避難誘導した。
 続いて、小型無人機「ドローン」で撮影した映像に基づき部隊が、倒壊家屋や交通事故に遭った車内から要救助者を救出した。
 体育館では検視が行われ、遺体の人定特定の方法などを確認。がれきに巻き込まれて亡くなった少女の両親に医師らがつくる「日本DMORT(ディモート)」が対応し、メンバーらが泣き崩れる遺族に寄り添うなど遺族対応も行った。
 西川直哉・県警本部長は「災害の脅威は計り知れない。災害への備えをさらに高めてほしい」と隊員らに呼び掛けた。(門田晋一)

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