危機意識持ち災害の備えを 高砂署副署長、署員に講話
2018/01/17 21:35
若手署員らに震災の経験や教訓を語る三木一也副署長=高砂署
阪神・淡路大震災から23回目の「1・17」。兵庫県の東播地域では17日、震災の記憶を次世代に伝えるため、各地で追悼行事や防災訓練などが催された。
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兵庫県警高砂署では、「阪神・淡路大震災の教訓とその伝承」と題して三木一也副署長(51)が若手署員ら54人を前に体験を話した。三木副署長は震災当時、西宮署に勤務し、救助活動に携わった。県警の語り部でもある。震災の反省を踏まえ、災害に対する危機意識を常に持って備えるよう求めた。
県警では震災後に採用された警察官が7割を占めており、教訓を組織で共有するため企画した。
当時、神戸市灘区の自宅には1カ月間戻れなかったという。力を尽くした一方で「技術や資材が十分にあれば助けられた命があったのではと、悔しい思いもした」と胸の内を明かした。
当時の反省点として、大地震を想定できていなかったことや被害の把握に時間がかかったこと、大渋滞を防げなかったことなどを列挙。現在は改善が図られているとした上で、平時は十分に準備をし、災害時には1分でも早く現場に出て命を救うよう呼び掛けた。
出席した地域課の前田憲昭巡査(29)は震災当時小学1年生で、大きな揺れを覚えているという。「警察官としての経験を受け継ぎ、技術や能力を高めていきたい」と話していた。(本田純一)