引き継ぐ祈り 本山第一小「黙とうの会」打ち切り一転存続

2018/01/17 22:14

ろうそくを手に、黙とうをするボーイスカウト隊員ら=本山第一小学校

 阪神・淡路大震災で3人の児童が亡くなった本山第一小学校(東灘区本山北町3)では、打ち切り予定から一転、存続となった「震災黙とうの会」が行われた。早朝、約200人が祈りをささげた。

 同校区防災福祉コミュニティから、ボーイスカウト神戸第54団の三枝大介さん(43)らが、運営を引き継いだ。
 スカウト隊員や同コミュニティのメンバー、地域住民らは、降りしきる雨の中、ろうそくを手に大きな輪になり、午前5時46分に合わせて1分間黙とうした。その後、慰霊碑前の燭台に火をともしたろうそくを並べた。当時、同小の児童だった中学教諭田中佑樹さん(34)は、スカウト隊員として避難所運営に携わった体験を語った。
 三枝さんは震災で自宅が全壊し、両親、妹2人と避難所で生活。スカウトの活動でお世話になっていた夫婦3組6人を亡くした。「あの日と同じ時間の、空気の冷たさを感じることに意味がある。子どもたちに防災の意味を考えてもらうためにも、黙とうの会を続けていきたい」と話していた。(谷川直生)

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