校舎真っ二つに「無力さ募る」大震災当時の校長語る 東灘・本山中

2018/01/17 22:29

授業再開に奔走した体験を語る元校長の加山光雄さん=神戸市東灘区岡本3、本山中学校

 阪神・淡路大震災で教員1人と生徒1人が亡くなり、校舎も使えなくなる被害を受けた神戸市東灘区の本山中学校では17日、当時の校長や教諭が約700人の生徒に体験を語った。 関連ニュース 神戸で4人死亡、42人感染 新型コロナ 40代男性、コロナで相次ぎ死亡 重篤な基礎疾患なし 神戸で新たに6人死亡、33人感染 新型コロナ

 同校は校庭に断層による亀裂が入り、校舎の一つが真っ二つになった。女性養護教諭=当時(55)=や2年の男子生徒が犠牲となり、当時2年の担任だった田之畑隆彦さん(59)=現・烏帽子中校長=はビデオメッセージで「無力さだけが募った」と涙ぐみ、「何もないけど、頑張れば何でもできると生徒と気持ちを奮い立たせた」と振り返った。
 当時も高校入試が迫る中、2月1日には校庭にテントを張って授業を再開。校長を務めていた加山光雄さん(82)=同市須磨区=は「寒いはずなのに、生徒の生き生きした顔が忘れられない」と目を細め、「自分の命を守り、友達との絆を大切にしてほしい」と語りかけた。
 2年の女子生徒(14)は「つらい経験なのに話してくれた。その思いを伝え続けていきたい」と受け止めていた。(広畑千春)

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