北海道の地震 厚真町は震度7 死者9人、不明28人

2018/11/04 13:51

 6日未明に発生した北海道の地震で、気象庁は同日、厚真(あつま)町の震度が7だったと明らかにした。国内で震度7が観測されたのは2016年の熊本地震以来で6回目。関係閣僚会議で、安倍晋三首相は9人が死亡したと述べた。警察庁によると、厚真町で3人、むかわ町と新ひだか町でそれぞれ1人の計5人が死亡し、計4人が心肺停止となった。道内全域の停電のうち一部地域が復旧したが、依然約246万5千戸が停電。完全復旧には少なくとも1週間かかる見通しで、市民生活に深刻な影響が出ている。(共同) 関連ニュース 宮城県で震度4 津波の心配なし 鹿児島県十島村で震度3相次ぐ 気象庁発表 悪石、小宝両島 第2陣45人 島外避難へ 地震群発、早朝震度5強


 北海道は、厚真町で28人が安否不明、道内のけが人は300人以上で、6千人以上が避難したことを明らかにした。建物被害は全壊が28棟、半壊が20棟、一部損壊が1棟だった。地震は直下型で、気象庁は今回の地震を「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」と命名した。
 震度6強を観測したむかわ町で亡くなったのは80代の男性とみられ、たんすの下敷きになっている状態で見つかった。厚真町の3人は70代の男性といずれも80代の男女の可能性がある。心肺停止は厚真町3人、札幌市1人。道警や消防、自衛隊などは家屋20棟以上が土砂崩れで倒壊した厚真町で住民の救助活動を夜通し続けた。防衛省は今後、現場で活動する自衛隊員を現在の約4900人から約2万5千人に増強する予定。
 同日午後、停止していた火力発電所のうち、砂川市の砂川発電所が稼働したことから、約34万戸の停電が解消。札幌市では、地震後に市内の病院で0歳女児の酸素吸入器が止まり、一時重症となった。停電が原因とみられる。
 厚生労働省は、病院349カ所で停電を確認。うち災害拠点病院は34病院で、いずれも自家発電で対応しているという。断水は札幌市など35市町村で、断水戸数は約3万戸に上った。
 北海道新幹線は始発から終日運休。道内の鉄道は全ての路線で運転見合わせが続き、JR北海道は新幹線と在来線の7日昼ごろまでの運休を決めた。国土交通省によると、ターミナルビルの閉鎖が続いた新千歳空港に、午後6時ごろから電力供給が始まった。7日の国内線運航再開を目指すという。

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