「1.17」早朝のビーナスブリッジ追悼催し 来年で幕
2018/11/06 09:46
雨の中、神戸の街へ思いを込めて演奏するトランペット奏者松平晃さん(76)=2018年1月17日、神戸市中央区神戸港地方、ビーナスブリッジ(撮影・田中靖浩)
阪神・淡路大震災の1月17日早朝に、神戸市を一望する諏訪山公園・ビーナスブリッジ(同市中央区)で開かれてきた「追悼のつどい」(安田秋成実行委員長)が、震災24年となる来年1月で幕を閉じることが分かった。参加メンバーが高齢化したためで、主催する団体が協議し、苦渋の決断を下した。メンバーらは「行事がなくなるのは残念だが、鎮魂の思いは持ち続け、風化を防いでいきたい」としている。
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つどいは1996年から始まった。地震発生時刻の午前5時46分に合わせて「神戸・希望の鐘」を鳴らし、参加者が黙とう。トランペット奏者の松平晃さん(川崎市)による演奏が響き、犠牲者をしのんできた。
だが、高齢化により、健康面に不安を抱えるメンバーが増えた。路面が凍結することもある中、夜明け前に鐘を公園まで運ぶ作業は危険が伴うなどの判断から、25回忌を迎える来年での終了を決めた。最後のつどいも、例年通りの内容で実施する。
実行委メンバーで、希望の鐘を製作した「NPO法人災害危機管理システム アース」(甲府市)の石原顕正理事長(67)は「時の流れのなかで、一つの形がなくなることは残念」と話している。
実行委は早朝のつどいの後、同市中央区の市勤労会館で開く追悼行事は続ける方針。(太中麻美)