犠牲児童忘れない 芦屋・精道小で震災語り継ぐ会
2018/12/18 05:30
阪神・淡路大震災で犠牲になった8人の児童を紹介する6年生=芦屋市精道町
阪神・淡路大震災で児童8人が亡くなった芦屋市立精道小学校(兵庫県芦屋市精道町)で17日、各学年の代表児童が震災について学んだ成果を発表する「震災を語り継ぐ会」が開かれた。全校の約660人が真剣な表情で耳を傾けた。
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語り継ぐ会は、犠牲になった児童を忘れず、震災の記憶や教訓を受け継ごうと2003年から続ける。1~5年生は震災の翌年に校内に建てられた慰霊碑「祈りの碑」や、芦屋市の復興歌「この町がすき」などを調べ、碑の形や歌詞の意味を報告した。
6年生は当時の教諭や遺族らから話を聞き、亡くなった8人の人柄や将来の夢を伝えた。「明るくまじめで優しい性格」「ギャグが好きで、お笑い芸人を目指していた」と、当時それぞれの子どもが使っていたランドセルや道具箱などを見せて発表。「一日一日命を大切に生きていきたい」と思いを語る児童もいた。
発表の後は高学年と低学年でペアになり、同校で1月17日に行われる追悼式で使う折り鶴を作った。子どもたちは消しゴムを何度も使いながらメッセージを考え、「天国でも見守ってね」などの言葉を折り紙に記した。
発表した6年生(11)は「亡くなった8人が大切にしていた家族や友達、将来の夢を自分も大切にしたい」と話していた。(名倉あかり)