「1・17」後の社会や科学をテーマに議論 神戸

2019/12/12 20:55

阪神・淡路大震災が社会や科学にもたらしたものを議論したフォーラム=神戸市中央区下山手通4

 兵庫県立大のフォーラム「人を守る減災の科学」が12日、神戸市中央区の県公館であった。3人の識者による鼎談「阪神・淡路大震災の体験は社会や科学に何をもたらしたか」があり、約270人が耳を傾けた。 関連ニュース 震災前の長田区、ジオラマ製作中 「阪神・淡路後」生まれの関学大生、大正筋商店街を再現 <兵庫発 地球の裏側へ ペルーに伝える防災>(上)阪神・淡路の教訓 大切な人を守るために備えて 猛虎のアレに応えまっせ! 阪神百貨店、18年ぶり優勝セール計画 「セパ関西対決」なら経済効果倍増か

 神戸市看護大学長の南裕子氏は、阪神・淡路の前は「災害看護」という概念がなく、被災者の視点で自ら日本災害看護学会を設立した経緯を振り返った。
 県立大理事長の五百旗頭真氏は、阪神・淡路以降、国内で災害が相次ぐ中、国家の安全保障を超えた「人間の安全保障」が重みを増したと指摘。「人」を中心に復興をとらえる重要性をあらためて強調した。
 県立大大学院減災復興政策研究科長の室崎益輝氏は、全国の被災地で唯一、展示施設にシンクタンク機能を備えた人と防災未来センター(神戸市中央区)は兵庫の強みであるとし「人材育成と科学研究は車の両輪」と総括。「県立大もその強みの一翼を担う責任がある」と述べた。
 このほか研究成果の報告もあり、スーパーコンピューターを活用し地震・津波被害や経済被害を計算するシミュレーション技術などが紹介された。(竹本拓也)

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