東北の子たちに1・17証言集寄贈へ 牧理事長ら
2021/01/14 13:22
クラウドファンディングについて説明する牧秀一さん=神戸市役所
NPO法人「よろず相談室」理事長の牧秀一さん(70)は13日、先月出版した阪神・淡路大震災の被災者らの証言集「希望を握りしめて」を東日本大震災の被災地に贈るため、クラウドファンディング(CF)で資金を募ると発表した。被災3県(岩手、宮城、福島)の公立高校などに届け「人間の復興とは何かを考える一助にしてほしい」としている。
関連ニュース
「一緒に先生になろうね」亡き親友と14年前に誓った夢は目標になった 自分は被災者なのか-葛藤も胸に経験語る21歳教育大生
言葉の壁、外国人は災害弱者「誰もが困らない仕組み構築を」 通訳申し出たがたらい回し経験したボランティア
地方女子の問題を可視化、原発避難者の人権訴える 兵庫ゆかりの2人に「女性リーダー」賞
同NPOは復興住宅の戸別訪問や、震災で心身に障害を負った災害障害者の支援などに取り組んできた。牧さんは交流を続ける18世帯26人の人生を書き起こした証言集を刊行。悲しみや苦しみを抱える遺族や被災者の肉声をまとめた。
東日本の被災地で小中学生とも交流を重ねており、「東北の子どもたちを励まし、今後起きる災害への備えに役立てれば」と寄贈を思い立った。
目標額は100万円。寄付額5千円で被災地の学校に1冊(税込み2750円)、同1万円で寄付者にも1冊が届く。3県の教育委員会を通じて全公立高校に1冊ずつ贈る予定。目標額を上回れば寄贈先を公立中学校などにも広げる。
CFは神戸新聞社の「エールファンド」(http://kobe.en-jine.com/)で3月31日まで受け付ける。(金 旻革)