ひょうご安全の日のつどい 鐘が鳴り響き犠牲者悼む
2021/01/17 21:27
教訓を継承する決意などを語る(手前左から)なぎさ小6年福元悠介君、渚中2年小沼楓夏さん、舞子高3年松岡紗輝さん=17日午後0時17分、神戸市中央区脇浜海岸通1、人と防災未来センター(撮影・吉田敦史)
兵庫県などが主催する「ひょうご安全の日のつどい」は、神戸市中央区の人と防災未来センター前で開かれた。
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式典には約430人が参列。正午ちょうど、カリヨンの鐘が鳴り響き、参列者は目を閉じて犠牲者を悼んだ。主催者を代表して井戸敏三知事は「一人一人が防災について考え、行動する『災害文化』の定着を目指す」と誓った。
会場周辺での交流行事や防災訓練、被災地を歩く「メモリアルウォーク」など関連行事は、新型コロナの感染防止のため中止となった。(藤井伸哉)
■追悼と誓いのことば 井戸敏三・兵庫県知事
阪神・淡路大震災から四半世紀を超える歳月が経過し、兵庫でも震災を経験していない県民が増えています。決して、震災を風化させてはなりません。
震災から25年の節目となった昨年、新型コロナウイルス感染症という新たな脅威が私たちを襲いました。
26年前の阪神・淡路を県民一丸となって乗り越えてきた私たちなら、今回の危機もきっと乗り越えられるはずです。ポストコロナの明るい社会の姿を描きながら、安全・安心の礎を築き、豊かで質の高い「すこやか兵庫」の実現へ歩みを進めることを誓います。(要旨)
子どもたちからのメッセージ(要旨)は以下
■神戸市立なぎさ小6年 福元悠介君(12)
小学校6年間の防災学習の中で心に残っているのは人と人のつながりです。阪神・淡路大震災ではおよそ90%の方が近所の人に助けられたと知り、近所同士の強い絆を感じました。
去年は、新型コロナの流行で休校期間がありました。友達と遊んだり、冗談を言ったり、当たり前だったことが楽しかったんだと思いました。今まで以上に友達や家族との絆を深めていきたいと思いました。
復興に向けての頑張りや当時の人々の絆の強さを歌声にのせて、合唱部の仲間と「しあわせ運べるように」を笑顔で歌います。
■神戸市立渚中2年 小沼楓夏さん(14)
新型コロナの影響で、私たち渚中防災ジュニアリーダーの活動は大幅に規模を縮小しています。
今、地震や災害が起こった場合、どうするのだろうと疑問に思うことがあります。中学校の体育館に多くの避難者を押し込むのでしょうか。それとも、クラスター(感染者集団)発生を恐れ、避難者の受け入れを拒否するのでしょうか。
このような時だからこそ、防災・減災を柔軟に考えなければならないと思います。新しい視点で考える必要性を大切に、防災ジュニアリーダーとしての活動を深めていきたいです。
■県立舞子高3年 松岡紗輝(18)
舞子高環境防災科で学ぶ中で、たくさんの方から阪神・淡路大震災のつらい体験をうかがいました。自分にできることは、被災者の方の「忘れないでほしい」という思いを周りの人に伝えることです。
私たちの世代は「未災者」と呼ばれています。私は大好きな家族や友人、関わる全ての方々を守りたい。聞かせていただいた話を、共に生きる若い世代に伝え、災害から多くの命を救うことにつなげたいです。未来を担っていく者として、震災を後世に語り継ぐことを約束します。