頭蓋骨骨折、乳がん発見 きっと、おかあが守ってくれた

2021/01/18 07:00

阪神・淡路大震災で母の末吉チヨ子さんを亡くした犬塚かおりさん=17日午前5時54分、西宮市奥畑(撮影・中西幸大)

 6434人が亡くなり、3人が行方不明となった阪神・淡路大震災は17日、発生から26年を迎えた。 関連ニュース 乳がん患者会「あけぼの兵庫」創立45年 神戸で26日記念講演会 夏の甲子園、天国の母に捧ぐ一打 乳がんで4月に早世 報徳高・貞岡選手「最後にきれいな一本出た」 乳がんの知識や治療法学び、交流しよう 専門家ら講演、相談ブースも 16日神戸

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■母の末吉チヨ子さん=当時(50)=を兵庫県西宮市で亡くした 犬塚かおりさん(41)=大阪府東大阪市
 この2年間は、本当にいろんなことがあったよ。いすから落ちて頭蓋骨を骨折してね、1週間も意識が戻らなかったんだ。いつ死んでもおかしくなかったって。乳がんも見つかって、乳房を摘出したんだよ。幸い、抗がん剤は必要のない段階で、今は健康そのもの。
 3人の子どもには本当に心配をかけたけれど、生きていることに感謝できるようになったんだ。きっと、おかあが守ってくれたんだなって思っているよ。
 父が早くに亡くなって、母子家庭だったね。地震の時は、おかあの体調が悪くて、私は大阪の児童養護施設にいた。新聞でおかあの名前を見つけた時の痛みに比べれば、何もつらいことはないって思えるんだ。これからも明るく元気に、強く生きていくからね。=西宮市の西宮震災記念碑公園で=(前川茂之)
【特集ページ】阪神・淡路大震災

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