昼はカフェ、夜は居酒屋に“変身” 高齢者ら集う福祉施設の喫茶スペース
2019/07/14 05:30
ランチ客でにぎわう「しゃべりーな」の店内=神戸市須磨区友が丘5
平日のお昼時、店内は地域の高齢者らでほぼいっぱいになる。「朝の散歩で何歩歩いた?」「昨夜見たニュースで○○って言ってたわ」。カロリーや栄養バランスが考えられた日替わり定食(600円)を食べながら、おしゃべりがとまらない。喫茶スペース「しゃべりーな」(神戸市須磨区友が丘5)。昼はランチとカフェ、夜はミニバー? いや居酒屋に“変身”する地域の交流拠点だ。(喜田美咲)
社会福祉法人「北須磨保育センター」(同区友が丘3)が運営する高齢者社会福祉施設「すこやか友が丘」の1階に入り、2006年にオープンした。1番人気の日替わり定食をはじめ、各種フードメニューは同施設の給食センターが担う。
数回取材で訪れたが、顔を出すたび、配膳や準備をするスタッフが違う。聞くと地域の民生委員や婦人会のメンバーが順番で担当しているという。
カフェのキャッチフレーズは「100円あればコーヒー片手におしゃべりできる」。「すこやか友が丘」の佐藤陽子センター長(63)は「コーヒーの作り方は決まっているが、曜日によって作り手が変わるので少しずつ味が違う。おもしろいでしょ」と笑う。
オープン当初からほぼ毎日通うという、近くの男性(83)は、友人と一緒に2時間近く滞在する。「ここに来ればみんなが知り合いになれる。ここに来ることが健康の秘けつ。来ないと調子が悪くなるなあ」
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6団地からなる須磨ニュータウンで、最も早い1967年に入居が始まったのが北須磨団地。友が丘地区はその中にあり、高齢化率は47・28%(2015年国勢調査)と区内でもトップクラスだ。
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多い時には1日に50~60人が来店するしゃべりーな。女性客が多いカフェタイムとは一転、夕方から閉店の午後8時までは、男性グループが集まってくる。アルコールやおつまみの提供もあり、住宅街の“居酒屋”に変わる。
同センターの多田信男理事長(72)は「高齢者が引きこもらず、出てこられる場所にしたい。今後は若い人にも参加してもらえれば」と力を込める。
最後にお約束の台詞を。
「しゃべりーなに来て、なんでもしゃべりーな」
月~土曜日午前10時~午後8時。「すこやか友が丘」TEL078・797・8036