91歳の現役歌手 妻の伴奏できょうも歌う
2018/09/12 00:29
「90歳の挑戦 歌曲コンサート」で歌う陰山恭道さん(右)と伴奏する陽子さん(陰山恭道さん提供)
2016年、「90歳の挑戦」と銘打った個人コンサートが神戸市垂水区のホテルで開かれた。主催者は、同区の「YKカップル」こと、陰山恭道さん(91)と妻の陽子さん(86)。恭道さんは陽子さんの伴奏で日々練習に励み、市民コンサートなどで今も歌声を披露し続けている。
関連ニュース
加害教員、悪意否定「驚く顔見たかった」 神戸・教員間暴行
子ヒツジすくすく 春までに50匹も生まれるよ
神戸港、寄港キャンセル相次ぐ 「クイーン・エリザベス」も中止
「長生きしたいなら歌いなさい」と語る恭道さんの人生は、常に歌と共にあった。就職した20歳から現在までに10以上の市民合唱団や文化教室に参加し、85歳の時には「摂津音楽祭リトルカメリアコンクール」の35歳以上の歌手部門で、最優秀賞にあたる金賞を受賞。曲のレパートリーは歌謡曲やシャンソン、オペラなど多岐にわたる。
恭道さんの活動を支えるのは、旧相愛女子短大(現相愛大)でピアノを専攻した陽子さんだ。コンサートやコンクールでは必ず陽子さんの伴奏で歌い、出演日が近づくと、毎晩3時間ほどみっちりと練習する。
練習中は、曲にアレンジを加える恭道さんと、譜面通りに演奏したい陽子さんの意見が合わないことも。恭道さんは「けんかもするけど、一緒に練習をすることで夫婦の対話も生まれている」と笑う。
恭道さんが「総仕上げ」として数え年90歳で開催した「90歳の挑戦 歌曲コンサート」では、陽子さんら家族や、所属する合唱団「コーラス・タルミ」の団員らも協力。恭道さんは300人の観客の前で、約2時間にわたるコンサートを成功させた。
29日に東灘区である「第20回神戸浪漫コンサート」に向けて練習を続ける恭道さん。「歌詞を間違えないなど基本的なことはもちろんだが、朗々と会場いっぱいに声を響かせたい」と意気込む。(真鍋 愛)