地域の課題をタイムリーに捉え、共創とプロダクトを進化。
デンソーテンの「神戸新聞NEXT」活用術
インタビューにご協力いただいた方
株式会社デンソーテン
イノベーション創出センター グループリーダー
田中 真一 様
株式会社デンソーテンは、総合カーエレクトロニクスメーカーとしてカーナビをはじめとする車載用電子機器の開発・製造を行っています。1920年創業の川西機械製作所を源流とする100年を超える歴史の中で、地元・神戸とともに歩み、地域貢献活動にも力を入れています。イノベーション創出センターでは、近い未来の社会を見据え、「移動」の価値創造を目指した技術・サービスの開発に取り組んでいます。
同社は2025年秋のリニューアル当初から、神戸新聞NEXT法人コースの利用を開始。導入後のメリットや活用法、今後への期待についてお話を伺いました。
未来のモビリティ社会を見据え、地域のリアルな課題とニーズをタイムリーに捉えたい
Q: はじめに、貴社の事業内容と担当業務についてお聞かせください。
田中 様:
当社は、自動車などのモビリティ領域で「安心・環境」企業として、事故ゼロ・カーボンニュートラルといった社会課題解決に貢献すべく製品・ソリューションを提供している会社です。私が所属するイノベーション創出センターでは、2030年やそのさらに先を見据え、社会に新しい価値を提供できるよう技術開発を推進しています。
会社としては「移動の課題を解決する」のがミッションの一つですが、私たちが今まさにチャレンジしているのは、「移動を『作る』」こと。神戸市内での「回遊」や「消費」の創出に取り組んでいます。例えば、三宮に出かけたときに、帰ってからSNSを見て、その日あったイベントに気づくことってありますよね。イベントや魅力的な店舗の情報は見逃してしまうともったいない。街に出たついでにもう1歩、2歩、足を延ばしていただけたら、街の活性化にも繋がりますし、移動が生まれることでモビリティサービスの発展にも寄与します。
Q: アプリやウェブサービスで、神戸の観光名所や隠れたスポットをつなぎ、おすすめ回遊コースを紹介するアプリ「BeKobeFun+(プラス)」を展開中ですね。
田中 様:
移動や消費に対するユーザーのモチベーションを上げるため、ユーザーの状況やプロフィール、天気、時間帯に合わせて最適な情報を届けられるよう技術を磨いています。この取り組みで、生活の価値を向上し、地域社会へ貢献する「神戸モデル」を作りたいと考えています。街の将来を見据える際、人口減少などを考慮すると回遊への期待は大きく、その手段として役立つことを目指しています。
この事業を推進していくには、地域の最新動向や、今まさに地域が抱えている課題やニーズをタイムリーに、かつ正確に把握していることが重要です。
地域にコミットする上での「説得力」アップへ、地方紙ならではの深掘り情報が効く
Q:地域の動向をタイムリーに把握するツールとして、「神戸新聞NEXT」を日々、どのようにご活用いただいているのでしょうか。
田中 様:
私は神戸市内に住み、自宅で紙の新聞を購読していますが、オフィスで紙の新聞を大きく開くのは少々「かさが高い」。それに、年齢のせいで、徐々に小さい字が見えづらくなってきまして(笑)。会社ではPCやiPadで神戸新聞NEXTを見ています。「紙面ビューワー」の中にある「紙面一覧」を使うと、その日の紙面のレイアウトが一覧で画面に見えて、そこからお目当てのページへサッとアクセスできる。デジタルなら画面を大きく拡大できますしね。
社内には大阪や京都などから通勤している社員もいます。紙面の配達エリア外でも、神戸新聞NEXTを利用すれば、本社の地元である神戸へのアンテナを張れる。デジタル版ならではのメリットと言えるのではないでしょうか。
新聞レイアウトの紙面イメージをそのまま、パソコンやスマホで見られる「紙面ビューワー」
Q: 田中さんの業務に、神戸新聞NEXTはどのように役立っていますか。
田中 様:
私たちの業務の特徴として、地域の企業や自治体との協業・コラボレーションが非常に多いという点があります。例えば、「神戸スマートシティ推進コンソーシアム」や「地域ICT推進協議会(COPLI)」といった場に出ることが多いです。さまざまな立場の方とお会いすると、必ず地域の話が出ますが、その際にきちんと同じ共通項を持って会話できることが大切です。行政の事業に携わっていく際にも、地域のことをよく理解していないと、任せてもらえるだけの説得力が生まれません。
地域を深く理解するのに、神戸新聞で日々、得ている情報が役立っています。全国紙など他のメディアがリーチできていない、内容や背景に深みのある情報が載っているのは、神戸新聞ならではの強みではないでしょうか。地域の課題解決に向けたヒントにもなります。
リモートの距離感を「突破」。地元ネタが繋ぐ「社内コミュニケーション」
Q: 社内での活用シーンを教えてください。
田中 様:
コミュニケーションのきっかけ作りに重宝しています。私の部署では、昼休み明けにオンラインでメンバーが集まる「昼礼」を毎日実施しています。毎日日替わりでメンバーが「一言ネタ」を披露するのですが、趣味や旅行、ゲームネタに加えて、やはり「地元ネタ」はみんなすごく知りたがりますし、盛り上がります。
昨今はプライベートに立ち入った話がしにくいご時世ですし、さらにリモートワークが普及したことで、オンライン上だとよっぽどの関係値がない限り、いきなりチャットで話しかけることも難しいです。昔は偶然、オフィスで顔を合わせるところから、会話のきっかけや新しいアイデアが生まれていたのですが、そのような機会が少なくなってしまった。これが今の会社全体の、密かながら大きな課題だと感じていたんです。
そんな時、「神戸新聞NEXT」の記事はフックになり得ます。「今日こんな地域ネタが載ってて」と昼礼で共有すると、その後オフィスで顔を合わせた時に「そういえば、あのニュースだけどさ…」と自然な会話が生まれる。社内コミュニケーションのきっかけになっています。
社内外ともに、選挙や自治体人事は大きな関心事なので、細かい情報は重宝しています。地元の経済記事も、お付き合いのある社や近隣企業の動向が入ってくるので、チェックするようにしています。
「危ない交差点」記事をプロダクト実装へ。
データ連携で「事故ゼロ」に挑戦
Q: コンテンツの中で、特に田中さんがビジネスやソリューション開発において価値を感じている具体的な事例はありますか。
田中 様:
私が最もインパクトを感じ、かつ自社のチャレンジにストライクで響いているのが、「危ない交差点」シリーズです。紙面でも掲載されていますが、デジタル版では埋め込み地図や写真で、より詳細に現場の様子を把握できます。
モビリティ業界として私たちは「事故ゼロ」を掲げています。世の中には自動運転や緊急ブレーキといった安全技術がありますが、これらは事故直前に働くもので、「物理限界」を超えるような救いきれない事故がまだたくさんあります。
だからこそ私たちは、もっと手前の段階、例えば出発するときや運転している最中に「いつもと同じルートだけど、今日は雨だから、あの交差点が危ないよ」「どこどこでイベントがあるから人が多いよ」といった情報を先回りして提供し、ドライバーに「構えてもらう」「迷わせない」ことで事故を未然に防ごうとしています。
「危ない交差点」は記者さんにも直接お会いして取材について聞いたのですが、現地の警察署に状況を聞き、現場を見て、「この方向から右折するときに特に事故が起こりやすい」といった傾向を分析されている。車視点だけでなく、交通弱者の側である自転車や歩行者の立場から見た注意点も書かれているのがポイントです。
私たちは記事データを購入・連携させていただき、ドライバーに適切なタイミングでリスクを通知する仕組みを検証しています。「事故多発地点です」と毎回言われるとドライバーは聞き流してしまいますが、本当に危ないリスクに絞って、なぜ危険なのかの理由も伴った通知を届けることができないか、と考えています。地域の報道データを、私たちの先進技術と融合させて、社会課題の解決につなげたいですね。
交通事故が起きやすい危険な交差点の特徴をまとめた連載「危ない交差点」
今後への期待と注文。AIやAPI連携の活用を
Q: 今後の「神戸新聞NEXT」や法人コースに期待する進化の方向性についてお聞かせください。
田中 様:
多くの企業でAIの導入が進んでいます。もし、神戸新聞NEXTが公式のAPIを提供し、企業のAIや社内システムとシームレスにデータ連携できるようになれば、ビジネスにおける価値はさらに高まると思います。
例えば、社員が朝出社してPCを開いた際、AIがスケジュールとともに、「今日の業務や協業相手に関連する、神戸新聞NEXTの最新の地元経済ニュースや人事情報、地域の課題」を自動でレコメンドしてくれる。日々のルーチンの中に、情報インフラとして自然と溶け込んでいる状態を作れたらいいですよね。
また、個々の利用頻度に応じてプッシュ通知やニュースレターの内容が変わったり、関心のあるカテゴリーをお気に入り登録できたりする「パーソナライズ化」が進むと、多くの人がより便利に感じるのではないでしょうか。
法人コースのメリットとして、採用のマッチングといった導入企業の課題を解決する取り組みにもサービスが発展するとうれしいですね。
Q: 最後に、神戸新聞NEXT法人コースをどのような企業におすすめしたいですか?
田中 様:
地域の社会貢献に力を入れてらっしゃる企業です。特に大企業は、社員の居住地や勤務地が広くなりがちです。会社にとっての「地元」の情報に、日ごろから接しておくことが役立ちます。特に経営層に関しては「この地域の企業のトップは、マストで導入すべきではないか」と思います。
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