「保護猫カフェ」飼い主探しの場に じかに触れ合い新たな家族との出合いを 明石で昨春開業
2021/11/19 05:30
保護スペースでネコをあやす新田彩貴さん=明石市西新町2
長年ネコの保護活動に取り組む兵庫県明石市の新田彩貴さん(46)が、ネコとじかに触れ合ってもらうことで飼い主探しにつなげる「保護猫カフェ」を開いて奮闘している。新型コロナウイルス禍の始まりと開業時期が重なり、当初から厳しい経営が続く中、「一匹でも多くのネコが飼い主と出合えるようにしたい」と意気込む。(松本寿美子)
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昨年3月、同市西新町2にオープンした「CafeAsunaro(あすなろ)」。新田さんは神戸市内に拠点を置く動物愛護のボランティア団体で、5年間にわたりネコの保護活動に携わった経験がある。
新田さんは3年前、ネコの数が増えて飼い主が管理しきれなくなる「多頭崩壊」の現場に出くわした。そこで、引き取り手のないネコの世話をするために個人で神戸市内にシェルターを開設した。
しかし、場所代や餌代、医療費などで月額約30万円の経費が必要に。次第に負担になってきたため、カフェ経営を思い立ったという。
昨春、カフェのオープンにこぎつけたものの、新型コロナ感染拡大に遭遇し、客足が伸び悩んだ。その一方でカフェの存在を知った人からネコの保護依頼が殺到。多くはけがなどで弱っている野良猫を見つけた人からといい、預かり料として野良猫の場合、月額3千円と医療費(実費)を受け取っている。
現在、1階の店舗でカフェを営業。2、3階の計約40平方メートルで33匹を保護し、客との交流スペースとしても活用している。
来店2回目という明石市の女性(41)は「ネコが好きだけど自宅では飼えないので見に来ている。ちょっと離れた場所から、うかがう様子がかわいい」と目を細めた。
同店では、これまでに5匹の譲渡が成立。2児の子育て中でもある新田さんは「ネコを保護しつつ、お年寄りや子どもがふらっと寄れる地域の拠点にもなれば」と話している。
月、火曜休み。カフェは予約制で午後0時半~5時。ネコの保護スペースへの入場は1500円(1ドリンク付き)。金、土曜の午後6~11時にワインバーも営業している。同店TEL078・925・2522