イノシシ捕獲中に死亡事故「現場に近づかないで」 洲本
2021/02/13 05:30
男性がイノシシに引きずり込まれたとみられる用水路
兵庫県洲本市内の山林で、わなにかかったイノシシの捕獲作業中に、南あわじ市の男性(79)が襲われて亡くなった事故。イノシシは山に逃げたままで、洲本市などは「現場付近の山林に近づかないで」と注意を呼び掛ける。
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洲本農林水産振興事務所によると、島内のイノシシ捕獲頭数は、2019年度、狩猟、有害捕獲両期間を合わせて8162頭。イノシシ猟は、猟銃を使用するかわなを仕掛けるかの二つに分かれるという。わな猟には、おりで捕獲するケースと、ワイヤで動物の足をからめ捕る「くくりわな」があり、仕留める際には猟銃か刃物などを使うという。洲本署によると、亡くなった男性は、くくりわなと刃物を使ってイノシシを捕らえようとしていたとみられる。
県猟友会三原支部の中本茂一副会長(71)は「おりのわなと違って、くくりわなは危険」と話す。イノシシが直線的に動いてもワイヤが切れることはないが、木に絡まるなどしてねじれた場合ちぎれる可能性があるといい、「わなを置く場所は足場がよく逃げやすいところや、イノシシが向かってきても盾にできるものがあるところが望ましい。動物も必死やから」と話す。中本さん自身も、これまでに3度くくりわなで捕らえたイノシシに逃げられたことがあるという。
同事務所は「くくりわなで仕留める際、興奮しているイノシシに至近距離まで近づく刃物より、素早く仕留められる銃の方が危険性は低い。その場合は、発砲音なども考慮して設置場所を選ぶ必要がある」と話す。(赤松沙和、西竹唯太朗)