島で唯一の部活動だった陸上部、離任の3教諭が最後の指導「もう少し見守りたかった」 南あわじ・沼島
2022/04/09 05:30
沼島中陸上部員と最後の練習に取り組む中島健教諭=3月31日、南あわじ市沼島
兵庫県南あわじ市沼島の沼島中学校で3月末、人事異動で離任する陸上部顧問の教諭らが最後の指導をした。新学期に柔道部ができるまでは同校で唯一の部活動だっただけに、後ろ髪引かれる思い。生徒たちは成長を誓った。(西竹唯太朗)
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同校陸上部は、3年生になった女子生徒3人がそれぞれ、円盤・砲丸投げと短距離走に取り組んでいる。今春、担当した教諭4人のうち3人が異動対象になった。陸上競技の経験があり、監督を務めてきた中島健教諭(54)も含まれた。
「最後の練習」は31日にあった。「もっと足の力を使って」。中島教諭は普段通りの指導を行った。終了後、教諭が「もう少し見守りたかった」「3人で協力して陸上を続けて」などの言葉を贈った。
円盤投げを続ける青石雪月花さん(14)は、「陸上の大会などで再会したときに成長した姿を見せたい」と決意を語った。
柔道部ができた沼島中には、強豪の南淡中柔道部で監督だった教諭が転任する。指導を頼る部員たちも、市内全域から通学が可能な「小規模特認校制度」で転校してきた。
生徒会長でもある青石さんは、「まとめていけるか不安もあるけど、和気あいあいとした沼島の雰囲気で、早くなじめるようにしたい」という。中島教諭は「部活だけでなく進路でも重要な時期なのであと1年支えたかったというのが本音。ただ、真面目で優秀な子たちなので環境の変化も乗り越えられるはず」と期待を込めた。