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式典の後、記念写真に納まる閑念校長と児童=西脇市住吉町
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式典の後、記念写真に納まる閑念校長と児童=西脇市住吉町
赤いちゃんちゃんこで感謝を述べる閑念校長=西脇市住吉町
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赤いちゃんちゃんこで感謝を述べる閑念校長=西脇市住吉町

 兵庫県西脇市内の小学校で一斉に卒業式が行われた23日、双葉小学校(同市住吉町)では、今春に定年退職する校長を児童と保護者が送り出す「校長先生卒業式」が開かれた。卒業生の女子児童2人は閑念智志(かんねんさとし)校長(60)に気付かれないよう、半年がかりで準備を進め、赤いちゃんちゃんこや手書きの卒業証書を手渡した。サプライズで祝福された閑念校長は「児童の顔が見える小さな学校で教員人生を終えることができてうれしい」と表情をほころばせた。(伊田雄馬)

 同校は市内全域から通える小規模特認校で、在校生34人のうち、18人が校区外から通学する。6年生の小沢夏都(なつ)さん(12)と穂満史帆さん(12)は閑念校長の定年を知り、「一緒に卒業式を」と昨年の夏ごろから計画を練り始めたという。

 この日、通常の卒業式を終え、いったん体育館を後にした児童は、片付けを装って館内に再び集合。迎え入れた閑念校長はぎこちない様子で、「ここでいいの?」と児童に尋ねながら最前列のいすに座った。

 直前まで行われた卒業式と立場を入れ替え、小沢さんと穂満さんが手書きの卒業証書を授与。2人は「大きなおなかでみんなの心を受け止めてくれた」「お餅をたくさん食べている姿が印象に残っている」と読み上げ、会場は笑いに包まれた。

 その後、児童全員の名前をフェルトで貼り付けた赤いちゃんちゃんこをプレゼントし、閑念校長の新任教師時代からの歩みを振り返るスライドを上映した。

 2人は夏休みを使い、学校の家庭科室などで準備してきたという。式を終えた穂満さんは「感謝を伝えられてよかった」とほほ笑み、小沢さんは「緊張したけど、計画は成功」と喜んだ。閑念校長は式後に卒業生らと記念撮影し、「孫と撮るみたいや」と相好を崩していた。

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