「駆け込み」寄付500件超える 洲本市のふるさと納税除外、発表後 寄付者の問い合わせは200件に
2022/05/09 19:45
ふるさと納税の指定取り消しを受けた洲本市の返礼品サイト=洲本市本町4
ふるさと納税制度で国の返礼品基準に違反した兵庫県洲本市は5月1日から、寄付の受け入れを停止した。コールセンターをゴールデンウィーク(GW)中も設け、8日までに約200件の問い合わせがあった。
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総務省は4月26日、同市に対し、ふるさと納税制度の対象から2年間除外する決定を通知した。これを受けて市は、2021年度以降の寄付者約50万人に対し、27日からおわび状を送り始めた。
コールセンターは29日、業者に委託して設置した。問い合わせは、おわび状が届いた寄付者らからで、「自分は税控除を受けられるのか」「発送待ちの商品は間違いなく届くのか」などだった。市役所へ直接電話する寄付者もおり、担当する魅力創生課の職員がGW中、1人以上待機して対応した。市を応援する内容もあったという。
4月末までの受け入れ分は従来通り制度の対象となる。除外処分の発表後、「駆け込み」の寄付申し込みが500件以上あった。
同課は、「洲本の産品を期待する寄付者が多いと改めて感じた。PRは続け、迷惑を掛けた返礼品納入事業者が販路を広げやすいようにしたい」としている。
総務省の除外処分は、洲本市の返礼品「洲本温泉利用券」について、調達費とは別に市が旅館側に支払っていた「手数料」も調達費に含まれると認定したため。調達費を寄付額の30パーセント以下とする国基準に違反した。(吉田みなみ)