「心に染みわたる歌届けたい」3年ぶり、紙ふうせんが帰ってくる 13日、西宮・芸文でリサイタル

2022/11/04 11:35

「音楽の力をファンの方と再認識できる舞台にしたい」と話す後藤悦治郎さん(右)と平山泰代さん=神戸新聞社

 「冬が来る前に」のヒットで、関西フォークの一翼を担ったデュオ「紙ふうせん」の後藤悦治郎さんと平山泰代さんが13日、兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センターで3年ぶりのリサイタルを開く。夫婦として、ミュージシャンとして人生を二人三脚で歩み、今年で結成48年。「フォークは人の情感を込めた音楽。新型コロナで希望を失いかけている人々の心に染みわたる歌を届けたい」と意欲を語る。(津谷治英) 関連ニュース オペラ歌手森麻季×ピアニスト横山幸雄 ショパン、久石譲など名曲コンサート 11月、赤穂と丹波篠山 気鋭の演奏家が多彩な挑戦、国際音楽祭「ヤング・プラハ」 23日、初の神戸公演にピアニスト太田糸音ら サトエリと八光が描く、笑いと涙の家族愛 ドラマ「大阪環状線」舞台化第3弾 「天満駅編」大阪で11月


 2人は尼崎北高校の同級生として出会い、1967年にデュオを結成した。翌年、フォークグループ「赤い鳥」を結成し、今も歌い継がれる「翼をください」をヒットさせた。解散後は夫婦デュオとして活躍。77年にリリースした「冬が来る前に」は、恋愛の切なさを歌い、当時の若者の心に響いた。
 現在は西宮市在住で、音楽活動を続ける。フォークを追究する中で、原点を各地方に残る伝承歌に見いだした。京都民謡「竹田の子守唄(うた)」をアレンジするなど、全国を旅して土地に住む人々の生活が語られる歌を探し求めてきた。
 後藤さんは「旅は夫婦のライフワークだった」と振り返る。ただ新型コロナウイルス禍で「公演、旅行も自粛ですから、つらかったです」。
 それでも久しぶりの自由な時間を生かした。後藤さんは読書に打ち込むことでミュージシャン人生と向き合い、平山さんは過去のアルバム曲を聴き直して、しっかり充電した。
 平山さんは「自分たちにできる音楽世界を再認識できた。その成果を見せたい」。後藤さんは「どんな困難にあっても歌い続けられる曲がある。観客席の皆さんと音楽の力を確認し合いたい」と話す。
 「紙ふうせんリサイタル~なつかしい未来」は午後6時開演。芸術文化センター・チケットオフィスTEL0798・68・0255

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