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「音楽に没頭する毎日。ヨーロッパを拠点に音楽家仲間との親交を深めています」と語る太田糸音=神戸新聞社(撮影・鈴木雅之)
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 チェコ・プラハを主会場として、世界各国から気鋭の若手演奏家が集う国際音楽祭「ヤング・プラハ」。31回目を迎える今年、初の神戸公演が23日、神戸新聞松方ホール(神戸市中央区)で開催される。出演者の1人、ピアニストの太田糸音は「観客も演奏する側も楽しめるコンサートにしたい」と抱負を語る。(片岡達美)

 若手音楽家の育成と交流を目的に1992年、スタート。これまで日本から梯剛之(ピアノ)、神尾真由子(バイオリン)、宮田大(チェロ)、大萩康司(ギター)など、114人のソリストが舞台に立った。

 太田は2000年、大阪府出身。17年、東京音楽大学付属高校を2年で早期修了、同大学も3年で早期卒業し、現在は名古屋芸術大学大学院で横山幸雄に師事、ベルリン芸術大学に留学中だ。

 「理屈抜きに楽しめるから」と、真っ先に選曲したのが2台のピアノのために編曲されたチャイコフスキー・バレエ組曲「くるみ割り人形」。イタリア出身のピアニスト、ジュゼッペ・アンダローロと共演する。「ピアノという楽器のいろいろな引き出しを見せることができるのでは」と話す。

 尊敬するピアニストで作曲家としても活躍し、13、16年の「ヤング・プラハ」出演者でもある阪田知樹が編曲したブラームスの子守歌も。「華やかさと、子守歌としての穏やかさ、おおらかさがあるすてきな編曲です」。このほか「一番好きな作曲家」というJ・S・バッハのシャコンヌ(ブゾーニ編)も披露する。

 「楽譜を書物のように感じる」という太田。「読み解き、音に命を宿すのが私の役目」と力強い。

 コロナ禍で留学は延期、演奏会も延期や中止を余儀なくされた。さらに20年には最愛の父を病気で亡くした。「でも後ろを振り返ってばかりはいられない。自分は『今』を生きているのだから」と前を向く。

 松方ホールは17年、第21回同ホール音楽賞で1位に選ばれた思い出の場所。恩師の横山と出会ったのもここだった。「そんな場所で演奏できるのは本当にうれしい」と頬を緩ませる。

 午後2時半開演、3500円。出演はほかにバイオリンのダニエル・マテイチャ(チェコ)。松方ホールチケットオフィスTEL078・362・7191

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