南野陽子と林田一高、土田英生の演出で朗読劇に出演へ 竹中郁の詩を織り込んだ「アネト」 23日、西宮
2022/11/06 10:40
南野陽子とは「半沢直樹」で夫婦を演じた土田英生。演出での再タッグに「南野さんの柔らかな部分を表に出せたら」=西宮市高松町
竹中郁の詩を織り込んだ朗読劇「アネト-姉と弟の八十年間の手紙」が23日、兵庫県立芸術文化センター(同県西宮市)で上演される。土田英生(MONO代表)の作・演出で、同県伊丹出身の南野陽子と同県加古川出身の林田一高(文学座)が出演。土田は「竹中さんの詩がドラマを通してどのように響くのか楽しみ」と、新たな朗読劇の形に挑む。
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詩をテーマとする芸文センターの企画「100年の詩(うた)物語」の第1作。土田が「兵庫の劇場で作るなら」と、地元の詩人から竹中を選び、県内を舞台とする物語を創作した。
ある日、神戸で暮らす高校生の町田芳乃(南野)に手紙が届く。差出人の名は谷垣芳之(林田)。豊岡に住む中学生で、「あなたは私の姉ですか」と問うものだった。芳乃は、養子に出された弟がいたことに動揺するが、家族に隠れて文通を始める。会うことのない2人の人生が、手紙を通じてつづられていく-。
舞台では、手紙の内容につながる詩を、関西の若手俳優8人が朗読。例えば、ラガーマンとして活躍する弟の場面では「ラグビイ」が取り上げられる。
竹中の詩は「竹中さんのレンズを掛けて世界を見ているような面白さがある」と土田。詩を選ぶ作業からドラマが影響を受けることもあるといい、「自分だけでは作れない広がりを持たせられる」と話す。
声だけで成り立つ手紙の形式により目指すのは、朗読劇ならではの「演劇や映像ではできない表現」だ。「文字で書かれたものは想像が広がる。手紙のやりとりで積み上げられる姉弟の触れ合いを感じてほしい」
午後2時開演。3500円、25歳以下1500円。芸文センターTEL0798・68・0255
(田中真治)