西宮市がサクラの独自品種を開発 鉢物サイズに
2020/12/01 05:30
鉢植えすることができる大きさで花を付けた「マメザクラ系新品種」(市花と緑の課提供)
兵庫県西宮市は市オリジナルのサクラ「マメザクラ系新品種」を開発したと発表した。市花であるサクラをより多くの人が育てられるよう、鉢物に適した背丈で枝切りしやすいのが特徴。学識者や市職員らでつくる命名委員会が愛称候補を八つ挙げ、1~28日に市民の投票を受け付ける。(中川 恵)
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西宮市は1965年に公募で市花をサクラとし、市内各地に植栽する。北山緑化植物園内にある植物生産研究センターでは、サクラの研究を続けており、既存の品種とは違う特徴を持つ「西宮権現平桜(ごんげんだいらざくら)」「夙川舞桜(まいざくら)」「今津紅寒桜(べにかんざくら)」「越水早咲き」の4品種が、市オリジナルのサクラとなっている。
ただ、多くのサクラは背が高く、成長のためには広い土地が必要で、一般の家庭などで植えられる機会は少ない。そこで同センターは2008年度から、鉢物で育てられるような品種の開発を始めた。
枝切りを嫌わないので簡単に形を整えられるマメザクラと、半八重咲きで花びらが舞うように見える「-舞桜」を12年に交配。種から苗を育て、5年後にようやく花が咲いた。花は親木である「-舞桜」の性質を受け継いで半八重咲き。高さ約1メートルの小さな木でも開花が確認された。今年8月時点で培養した約200株を育てている。
命名委員会では愛称の候補として、西宮の川・夙川や新品種の形質を元に「夙川姫舞桜(ひめまいざくら)」「夙川豆桜(まめさくら)」「西宮っこ桜(ざくら)」「姫舞桜(ひめまいざくら)」「舞桜(まいざくら)西宮」「豆桜(まめざくら)西宮」「宮の雛桜(ひなざくら)」「宮の舞桜(まいざくら)」の八つを考案した。市内在住、在勤、在学者を対象に、植物生産研究センター▽市役所本庁舎6階花と緑の課▽鳴尾浜臨海公園南地区内花工房-の3カ所で投票を受け付ける。はがきや市のホームページからも投票できる。結果は来年1月中旬ごろに発表し、21年度以降に苗の販売や植栽などをしていく予定にしている。植物生産研究センターTEL0798・74・5970