兵庫県西宮市今津大東町の大東公園にあるサクラの一種「今津紅寒桜」が、昨年末の命名以降初めての満開を迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大でどこか物寂しげな公園の景色に、一点の彩りを添えている。
高さ約5・5メートルのこの桜は園内に1本だけ植わり、樹齢は推定でおよそ70~80年。2018年に新品種と確認され、愛称は昨年12月に市民投票で決まった。
管理する市公園緑地課によると、暖冬などの影響で例年より2週間ほど早い2月下旬から開花したという。おわん状に開く淡い紅色のサクラは、時折吹く強い風に花びらを散らしながらも懸命に咲き続けている。
友人2人と見に来た女性(83)=西宮市=は「色合いがきれいで、下に垂れて咲く姿もかわいらしいです」と笑顔を見せた。(風斗雅博)