炭にするため枝のみ伐採、根元ばかり太り…ずんぐり「クヌギ」が天然記念物に

2021/07/05 05:30

ずんぐりとした幹のクヌギが並び独特の風景を見せる群落=川西市黒川

 兵庫県川西市が「日本一の里山」としてPRしている同市黒川地区にある「黒川字大谷台場クヌギ群落」を市の天然記念物に指定した。クヌギの群落としての指定は「黒川字奥瀧谷台場クヌギ群落」に次いで2例目。(斎藤雅志) 関連ニュース 【動画】茶席の“花”「一庫炭」窯出し 川西市内唯一の炭焼き農家 【動画】「台場クヌギ」育む日本一の里山 いつの間にか切り株の上に立派な椅子が 樹齢128年の老木を再利用して休憩スペースを作った公園に称賛の声


 「台場クヌギ」は、炭の材料として10年周期で枝のみを伐採するため、木の下部だけが太く成長し台場のように見えることから呼び名が付いた。
 指定を受けた場所は、高級炭「一庫(ひとくら)炭」の材料のクヌギ材が採集される山の斜面の約3ヘクタールで、NPO法人「北摂里山文化保存会」により継続的に保全活動が行われていることも評価された。
 同法人は毎月1回、指定エリアや周辺で保全活動をしている。6月20日は、メンバー6人が約2時間かけて間伐や草刈りなどに汗を流した。
 同法人の信田修次監事(69)は「貴重な植生を守りながら、子どもたちの学びの場としても活用できるようにしたい」と話していた。

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