五輪競泳・ジェイ・リザーランド選手が「銀」 尼崎の祖父母感無量 親類ら抱き合い喜ぶ
2021/07/26 05:30
決勝レースが映るテレビ画面を見ながら声援を送るジェイ・リザーランドの親類と友人=尼崎市内(撮影・斎藤雅志)
東京五輪の競泳男子400メートル個人メドレー決勝に出場した米国代表で兵庫県尼崎市出身のジェイ・リザーランド(25)を応援しようと、25日午前、尼崎市の祖父宅でテレビ応援会が開かれた。リザーランドの親類や友人ら約20人が集まり、持ち前の猛烈な追い上げに「ゴー! ジェイ!!」と大声援を送り、銀メダルに輝くと両手を突き上げ、抱き合って喜んだ。
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応援会を開いたのは、尼崎市内で建築金物メーカーを経営する中村孝さん(80)。リザーランドは中村さんの長女とニュージーランド人の夫との間に生まれた三つ子の末っ子で、3歳まで尼崎で暮らした。今も関西弁が堪能で、大好物は「551の豚まん」という。
幼いころから気管支が弱く、8歳のときに母親の勧めで水泳を始めたというリザーランド。今回は5位に入賞したリオに続いて2度目の五輪となり、中村さんは「ジェイは古里・日本での五輪に特別な思いを持って準備してきた」という。
24日の予選では終盤に得意の自由形で追い上げ、全体の5位タイで決勝に進出。友人でもある瀬戸大也が予選敗退する波乱もあったが、持ち味を存分に発揮した。
中村さん一家はコロナ禍の無観客開催で現地観戦がかなわず、自宅で75インチのテレビを購入して応援会を企画。選手村で過ごすリザーランドと頻繁に連絡を取り合いながら大舞台を迎えた。
午前10時半、決勝スタート。親類らが特製の応援Tシャツに身を包み、日米の国旗を振って見守る中、リザーランドは4位以下で迎えたラスト50メートルから自由形で一気に追い上げ、次々に抜き去るとチームメートのチェース・ケイリシュに次ぐ2位でタッチ板をたたいた。
リザーランドの祖母美代子さん(80)は、米国の長兄ケビンさんと次兄ミックさんとスマートフォンのビデオ通話で「よかった、よかった」と健闘をたたえ合い「傘寿を迎えて、最高のお祝いをもらった」と目を潤ませた。
中村さんは「感動をもらった。何とかメダルに届けばと思っていたが、銀メダルとは。生きていてよかった。メダルを持って尼崎に帰ってくる日が待ち遠しい」と感無量の様子だった。(竹本拓也、斎藤雅志)