捨てられていた梅がシロップに 名称もほろ酸っぱい?就労目指す障害者らが考案 尼崎
2022/08/15 05:30
あまうめ城っぷ
尼崎市農業公園(兵庫県尼崎市田能5)に自生する梅を捨てることなく地域の活性化につなげようと、一般社団法人ひまわり(同市名神町3)は梅シロップ「あまうめ城っぷ」を商品化し、販売を始めた。尼崎城の「城」とシロップの「シロ」を掛け、商品名に遊び心を添えた。ほろ酸っぱくて、まろやかな甘さが口いっぱいに広がる。(浮田志保)
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法人は障害者の「就労継続支援A型事業所」で、10人が利用している。普段は事務所内で事務作業をしたり、尼崎市公設地方卸売市場で野菜の袋詰めをしたりする中で、農作物の加工や地域貢献に関心が芽生えたという。
同公園には約120本の梅の木が自生する。市の農政課はこの梅の実の使い道に悩みつつ、これまで大半は廃棄していた。そんな中、昨年5月ごろに「有効に活用できないか」と法人に提案。利用者が昨年6月ごろに摘みとり、千葉県で酵母発酵の技術を持つ加工業者の協力を得て商品化へこぎ着けた。
シロップの命名や、200ミリリットル瓶のラベルデザインなどは全て法人の利用者たちが考えた。特にラベルは「地域普及版」と「全国版」に分け、消費者の好みに合わせてデザインを変えるという工夫をしている。地域普及版には、観光地の一つである尼崎城を背景に、笑顔の少女が梅の実を手にする様子を描いた。
水で割るのはもちろん、酒にも合うといい、ヨーグルトにかけて食べてもおいしいという。
「高枝切りバサミの使い方に慣れていないので難しかった」と苦笑いする利用者たち。その一人(40)は「利用者が力を合わせて作りだしたので、ぜひシロップを味わってもらえるとうれしい」と話す。
税込み1080円。同法人の事務所内や、あまがさき観光案内所(神田中通1)で販売している。同法人TEL06・6428・8166