阪急武庫川新駅、6割超が「望ましい」 利便性向上に期待 尼崎市、周辺住民や事業所にアンケート
2022/09/20 05:30
新駅設置が検討されている橋=西宮市と尼崎市の市境(撮影・斎藤雅志)
阪急西宮北口(兵庫県西宮市)-武庫之荘(同県尼崎市)駅間で設置が検討される武庫川新駅(仮称)について、尼崎市は周辺の住民や事業所の6割超が新駅を「望ましい」と答えたアンケート結果を明らかにした。若い世代を中心に交通利便性の向上やにぎわい創出に期待する一方で、回収率は3割にとどまり「市の方向性が見えない中、回答は難しい」との声も。市は対話を重視して周辺地域のまちづくり計画を策定するとしている。(広畑千春)
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新駅は武庫川にかかる橋上を想定している。アンケートは8月上旬から、設置検討場所からおおむね半径1キロ以内の住民や事業所1万1845件に配布。説明会も行い、同29日までに32%に当たる3732件の回答があった。
現時点での新駅設置については、「望ましい」「どちらかといえば望ましい」が63%を占め、「どちらかといえば望ましくない」「望ましくない」の17%を大きく上回った。新駅近くの住民や、15~44歳の若い世代では「望ましい」が多い傾向があった。
新駅設置で期待することや不安を複数回答で尋ねたところ、期待では74%が「交通利便性の向上」を挙げたほか、「生活利便施設などの増加(にぎわい創出)」(36%)、「外出機会(意欲)の増加」(26%)が続いた。一方、心配することは「交通量の増加」(45%)、「放置自転車」(38%)、「治安や防犯」(37%)などの声が多かった。
阪急電鉄と西宮市、県との4者で新駅を巡る具体的な検討が進むが、尼崎市は「多くの市民に望ましいと思ってもらえる新駅に向け、前向きに取り組みたい」とまちづくり計画策定を前倒しする方針だ。
尼崎市ではファミリー世帯の定住・転入促進が長年の課題になっており、森山敏夫副市長は市会建設消防防災委員会で「駅を造るだけでなく、学校の通学路や利便施設も含め、住みやすい環境づくりに取り組んでいきたい」と述べた。