制服、私たち生徒が見直します 宝塚・小林聖心女子学院が創立100周年 ファミリアに要望

2022/09/29 20:25

デザイナーから校章に代わるアイテムの提案を受ける小林聖心女子学院の生徒=神戸市中央区磯上通4

 来年に創立100周年を迎える小中高一貫の女子校「小林聖心女子学院」(兵庫県宝塚市塔の町)で、生徒たちが制服デザインの見直しを進めている。夏服のワンピースは子ども服メーカー「ファミリア」(神戸市中央区)製で根強い人気があるが、冬服を含めて色や機能面には課題もあるという。2024年度のデザイン変更を目指し、メーカーにも話を聞きながら検討を続けている。(中川 恵) 関連ニュース 【写真】小林聖心女子学院の現在の制服(夏服と冬服) 神戸の女子高生“御用達”のかばん 60年超、親子で愛用するファミリアのロングセラー 宇垣アナやフィギュア坂本選手の母校もカバー 神戸制服コレクション


契機はスラックスの導入
 小林聖心の制服は1年(小学1年)~12年(高校3年)まで同じデザインとなっている。冬服は約60年前から濃い青のジャンパースカートと白のブラウスに縦じまのブレザーで、夏服は約40年前から水色のワンピース。制服を気に入って入学した子どももおり、卒業生の思い入れも強い。
 一方で、スカートだと寒いという声や、自転車通学の生徒から「スカートがめくれあがって危ない」という声も上がる。学院は動きやすさや組み合わせの自由を実現するため、23年度を目標にスラックスを導入することを決めた。
 そして、これに併せて制服の問題点も改善しようと、今年5月に中高生にあたる7~11年の14人が「制服検討委員会」を立ち上げた。
デザインは?アイテムは? 議論熱く
 まずは要望を吸い上げようと、全ての児童・生徒と保護者に、今のデザインを残したいか、変えたいアイテムはあるかなどを尋ねるアンケートを実施した。
 結果からは「夏服は汗が染みやすい」「のど元に付ける校章(のバッジ)は危ない」などと課題が浮上。一方で「上品な感じを気に入っている」「どこにでもある制服にはしたくない」と現状維持を求める声も少なくなかった。
 「制服は私たちだけのものじゃなく、卒業生や今後着る後輩のものでもある。アンケートでも圧倒的多数の意見はなく、ゴールをどこに定めたらいいか分からない」と委員長の大西せんりさん(16)。議論の末にこんな案が持ち上がった。
 「どんな制服が実現できるのか、プロの意見も聞いてみよう」
 検討委の生徒たちはアンケートの結果を、小林聖心の制服を手がける二つのメーカーに届けた。
プロにも相談、ベストな着地点を
 9月26日、生徒たちがファミリア神戸本社を訪れると、同社のデザイナーらが出迎えてくれた。
 アンケートを受け、同社側はスラックスに合わせたスカート、裾の広がったキュロットなどの新しい制服のデザイン画を示した。
 さらに、課題の汗じみは生地を見直すことで解決できることや、危ないと言われる校章は刺しゅうにし、新たにリボンやネクタイを加えてはどうか-などと提案した。
 生徒は1時間半にわたり、デザイン画や生地見本を見ながら意見を出し合った。副委員長のハドソンあいらさん(17)は「実際にデザインを見ることで頭の中がすっきりした。ベストな着地点を見つけたい」と話した。

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