SDGsな「味わい深い」大発明! 使用済みコーヒー粉末から着火剤、ソロキャンプも楽しめる 宝塚の店主が販売

2022/10/05 05:30

吉田浩之さんが使用済みのコーヒー粉末を再利用して開発した着火剤=宝塚市逆瀬川2

 兵庫県宝塚市内で自家焙煎(ばいせん)専門のコーヒー店を営む男性が使用済みのコーヒー粉末を再利用し、着火剤を開発した。「国際コーヒーの日」の10月1日から販売を開始。1個あたり20分ほど燃え、ソロキャンプでバーベキューやコーヒーを楽しむ際などに気軽に使える。男性は「持続可能な開発目標(SDGs)の『つくる責任・つかう責任』を実践した」と強調。抽出後の粉末を使った着火剤の製造は全国でも珍しいという。(西尾和高) 関連ニュース パンの残り、高校の学生食堂で格安販売 翌日に半額以下70円均一、フードロス削減へ コープこうべ 牛の「ふん尿」燃料のバイオガス発電所を開設 コーヒーも地球に優しく「グリーン焙煎」 抽出かすを燃料に再利用


 同市逆瀬川2、「ビーンズポット」の吉田浩之さん(49)=芦屋市翠ケ丘町。2007年の出店以来、ブラジルやインドネシア、コロンビアなど各国のスペシャルティーコーヒー豆を取り扱う。丁寧に自家焙煎し、オリジナルの味を提供している。
 同店では1カ月30キログラムのコーヒー粉末を消費し、抽出後は廃棄してきた。吉田さんは10年ほど前から処分する度に「有効活用できないか」と思うようになった。
 使用済み粉末は主に肥料や脱臭剤、除草剤として再利用されているが「他にはない商品を作りたい」と開発を決めた。日々、コーヒー豆を焙煎していることから「何か燃やせるものがいいのでは」と思い付き、パラフィンと呼ばれる燃焼成分を使って簡単に作れる着火剤に着目した。
 着火剤は室内で3~4日乾燥させた使用済み粉末と液状に溶かしたパラフィンをまぜ合わせ、コーヒー豆形の型に流し込む。着火線を取り付け、自然に固まれば出来上がりだ。
 1個17グラムと軽量で、火は17~23分持続する。同店が別で開発した棒状のたきつけ資材(長さ8・5センチ、13グラム)を着火剤の上に置いて燃焼させると、さらに大きな炎となり、まきなども効率よく燃やせるという。
 吉田さんは着火剤の意匠と商標の登録を出願中。「これからの時代、廃棄するものを再利用し、何かに役立てられるようにする必要があると思った。まきストーブを利用するカフェなどでも使ってほしい」と話している。
 1袋7個入り660円(税込み)。ビーンズポットTEL0797・72・7511(日曜、第3月曜休み)

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