津名高校(兵庫県淡路市)の学生食堂「カフェテリア・ツナ」で、フードロスを減らす取り組みが始まった。市内のパン店で残った商品を翌日、生徒や教職員に格安で販売する。学食を運営する高井健一郎さん(50)は「協力する店が増えれば、町ぐるみでのSDGs(国連の持続可能な開発目標)促進につながる」と話している。
高井さんと、同市久留麻でベーカリー「ブランジェリー・フルール」を営む久野弘喜さん(54)が、「パンの廃棄を減らしたい」と連携。久野さんが店頭に残ったパンの情報を知らせ、高井さんが翌朝引き取りに行く。正午には食堂に並ぶ。価格は店頭の半額以下の1個70円均一。これまでに数回、販売日を設け、毎回30~50個が完売したという。
同校では1年生が現代社会の授業でSDGsについて学ぶ。仲山惠博校長は「生徒が問題意識を持つきっかけになる。今後も続けてほしい」と話す。生徒からも「安くてお買い得」と好評という。高井さんは、「生徒が環境問題を学ぶだけでなく、地元の商店を知って地域とのつながりを深めるきっかけになれば」とも話す。(内田世紀)