尼崎の人たち「だまされたらアカーン!」小学生から80代の市民劇団が熱演、特殊詐欺の啓発動画

2022/11/16 05:30

特殊詐欺を防ごうと、やんちゃんこ劇団が出演した動画「だまされたらアカーン!」の一場面

 小学生から80代まで幅広い世代でつくる兵庫県尼崎市の市民劇団「やんちゃんこ劇団」が県警尼崎北署とタッグを組み、特殊詐欺を防ぐための啓発動画をつくった。子どもたちが詐欺グループを演じ、高齢者をだます手口を劇で分かりやすく紹介。動画は4本あり、子どもたちが「だまされたらアカーン!」と呼びかける。(山岸洋介) 関連ニュース 【写真】段ボールでATMの「かぶりもの」を作って擬人化も うそを信じ切った男性の声が聞こえてきそう 尼崎の巡査長がインパクト大なイラスト、特殊詐欺防止カードに 息子名乗り「手術で声がおかしい」 尼崎の女性、特殊詐欺で2000万円だまし取られる

 劇団は子育て支援のNPO法人「やんちゃんこ」が、子どもたちに個性を伸ばしてもらおうと、2020年に発足させた。現在は25人ほどが県立ピッコロ劇団員の指導を受け、演劇に励んでいる。
 今年2月、尼崎北署から「地域ぐるみで詐欺を防ぎたい」と動画作成への協力を依頼され、快諾した。ピッコロ劇団員に台本・脚本をつくってもらい、何度も練習。撮影は夏休みの1日を使い、ピッコロシアター(同市)で行った。
 動画は、特殊詐欺の中でも被害の目立つオレオレ詐欺や架空請求、還付金詐欺、キャッシュカード詐欺盗の4種類あり、各1分半~2分ほど。息子や銀行員、市役所職員をかたる詐欺グループが「携帯電話の番号が変わった」「キャッシュカードを新しくした方がいい」と偽り、ATMを操作させたりカードをすり替えたりする場面などを描く。
 照明や小道具までリアルさを追い求めた一方、段ボールでATMの「かぶりもの」を作って擬人化する手法も取り入れ、親しみやすい内容にした。
 やんちゃんこ劇団では発達にさまざまな特性のある子たちが活躍しており、今回も収録時に固まってしまってせりふが出てこなくなる一幕もあったが、温かく見守る仲間に励まされ、見事に演じきった。
 やんちゃんこ代表理事の浜田英世さん(61)は「子どもも大人も、詐欺の手口を学びながら懸命に取り組んだ。防犯のメッセージ発信に役立てたなら、市民としてうれしい」。署の担当者は「思った以上の仕上がりで、子どもたちの演技力に驚いた。被害を少しでも減らしたい」と話した。
 署は4日、出演者たちに署長感謝状を贈った。完成した動画はユーチューブの県警公式チャンネルで視聴できる。

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■第1弾
だまされたらアカーン! オレオレ詐欺に気ぃつけや編~【尼崎北署】
(https://youtu.be/UHzDjpiwJDw)
■第2弾
だまされたらアカーン! 架空料金請求詐欺に気ぃつけや編~【尼崎北署】
(https://youtu.be/bmw9N65bsVQ)
■第3弾
だまされたらアカーン! キャッシュカードをだましとられる詐欺に気ぃつけや編~【尼崎北署】
(https://youtu.be/ZDRGWI2LaaI)
■第4弾 
だまされたらアカーン! 還付金詐欺に気ぃつけや編 【尼崎北署】
(https://youtu.be/mj_qYMI29uM)

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