国内シェアトップクラスのバケツ製作所が作るキャンプ用品が売り上げ好調
2021/01/06 05:30
「たき火」周りの商品群の品ぞろえを強化する名城嗣明社長=姫路市船津町
トタン製バケツ大手の尾上(おのえ)製作所(兵庫県姫路市)が、「ONOE」ブランドで展開するアウトドア用品の開発に力を入れている。キャンプ人気の高まりを追い風に、「たき火」関連商品の売り上げが好調なためだ。手ごろな価格と多用途化をウリに、他社の高級品と差別化して市場を深掘りする。
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同社は1948年設立の家庭用品メーカー。「吸いがら入れ」「防火用」と赤地に白い文字で書いたレトロな商品を含め、創業当時から手掛けるトタン製バケツのシェアは、今も国内トップクラスという。
年間を通じて生産するバケツに加え、冬場は湯たんぽを作ってきた同社が、アウトドア用品に進出したのは86年。「夏場の商品を」と、バーベキューコンロを開発し販売を始めた。
近年のキャンプブームを受け、品ぞろえを増やしているのが、たき火をする際に必要な商品群。まきを燃やす台や、たき火の上に鍋をつるすハンガーなどだ。大半が1万円以下に価格を抑えている。
商品名に「マルチ」を冠したものが多いのも特徴。キャンプを始める際は、テントや寝袋など買いそろえる商品数が多くなるため、同社は一つの商品を多用途に使えるよう、開発に知恵を絞る。消費者は購入する商品が減れば、キャンプに行きやすくなる。名城嗣明社長は「誰でも手ごろに、手軽にキャンプを楽しめるよう、低価格で多用途に使える商品の開発にこだわり続ける」と話している。(段 貴則)