国宝の刀剣「明石国行」など50点 姫路市立美術館で特別展

2021/07/08 05:30

国宝 太刀 銘 国行(来) 鎌倉中期(刀剣博物館蔵、日本美術刀剣保存協会提供)

 平安時代から現代までの日本刀を集めた特別企画展「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」が、兵庫県姫路市本町の市立美術館で開かれている。人気ゲーム「刀剣乱舞(とうけんらんぶ)」で擬人化された国宝「明石国行(あかしくにゆき)」や、4点の国重要文化財を含む約50点を年代順に展示。焼き入れの際に刀身に生まれる模様「刃文(はもん)」に焦点を当て、美術品としての刀剣の美と技を伝える。9月5日まで。(地道優樹) 関連ニュース 教職員からの相談を管理職が放置 「許せない」と保護者ら 姫路市立小の暴言・体罰問題 畑に雲のじゅうたん? 里の秋…ソバの花満開 たつの 体罰・暴言の教諭、懲戒免職に 同僚が3年前から言動記録、再三校長に伝えるも放置


 同館の刀剣展としては過去最大規模の展示。平安-室町時代の「古刀(ことう)」、慶長(けいちょう)元年(1596年)-幕末の「新刀(しんとう)」、廃刀令が出た明治時代以降、の3期に分けて並べている。
 国宝の「明石国行」は、鎌倉時代に打たれた刃渡り約76センチの名刀。直刃(すぐは)と呼ばれる真っすぐな刃文が浮かび、密教法具の三鈷柄剣(さんこづかけん)が精細に刻まれている。江戸時代には明石藩主の松平家に代々受け継がれた。
 古刀20点のうち、最も古いのは平安後期に作られた国重要文化財「正恒(まさつね)」だ。武士が政権を握った鎌倉時代以降の刀に比べて反りが大きく、切っ先が小さいのが特徴。刃文には波打つような「のたれ」が見られる。
 新刀は、江戸時代を代表する名刀「長曽祢虎徹(ながそねこてつ)」などが並ぶ。江戸中期以降は刃文が派手になり、焼き入れの技で桜の花びらを浮かび上がらせた脇差しも。姫路藩主の酒井忠恭(ただずみ)が自ら打った刀や、姫路市夢前町に工房を構える現代の刀工・明珍宗裕(むねひろ)さんの近作など、姫路ゆかりの刀剣も紹介している。
 「日本刀の美」を連想させる作品として、現代美術作家杉本博司さん(73)の写真シリーズ「海景」の7点も展示。世界各地の海や湖と空を同じ構図で撮影した。「日本刀の切っ先から伸びる柔らかな線と、水平線には呼応するものがある」と杉本さんは話す。「ボーデン湖」(縦1・2メートル、横1・5メートル)は世界的ロックバンド「U2」のアルバムジャケットになった。
 美術館の前庭では音と光によるインスタレーション(空間芸術)「たまはがねの響」を展開。姫路の伝統工芸品「明珍火箸(みょうちんひばし)」の澄んだ音色を素材に作曲家菅野由弘(よしひろ)さんが創作した曲を、樹上など庭内13カ所のスピーカーで反響させている。
 一般1200円。午前10時~午後5時。原則月曜休館。国宝と一部の国指定文化財の展示は8月1日まで。同館TEL079・222・2288

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