フランスに柔道広めた川石酒造之助の故郷 代表選手ら姫路に特別な思い「私たちの“根っこ”」
2021/07/19 05:30
フランス柔道チームに旗を振って歓迎の気持ちを示す中学生ら=県立武道館(撮影・大山伸一郎)
兵庫県姫路市に滞在している東京五輪のフランス柔道代表選手団が、特別な思いを胸に調整を重ねている。姫路は「仏柔道の父」とたたえられる柔道家川石酒造之助(みきのすけ)(1899~1969年)の出身地。17日午後に県立武道館(同市西延末)で市民らに練習を公開し、会見に臨んだ選手たちから「メダルを取ってお返ししたい」と感謝の言葉が続いた。(井上 駿)
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同国で柔道の普及に努めた川石は旧手柄村出身。こうした経緯もあり、姫路が事前合宿地に選ばれた。
公開練習には選手とスタッフ約40人が参加した。兵庫ゆかりの日本代表、阿部詩(うた)選手=女子52キロ級=のライバルとなるアマンディーヌ・ブシャール選手らが、技の掛かりや動きを何度も確認。山陽中柔道部の男子生徒(15)は「一流の選手でもしっかり基礎練習に取り組んでいたのが印象的」と見入っていた。
「私たちの『根っこ』に戻ってきた」。会見で女子78キロ超級のロマヌ・ディッコ選手は、川石の故郷・姫路への思いを口にし「エネルギーを吸い上げてメダルを獲得したい」と意気込んだ。
新型コロナウイルス禍で市民との交流事業が大幅に制限される中、選手たちは「感染症対策などサポートに感謝している」。無観客開催となるが、男子90キロ級のアクセル・クレルジェ選手は「五輪が開催されること自体がありがたい」と話していた。
18日には、市文化センターで選手団を音楽でもてなす「姫路フランス祭」もあった。