桂米朝さんの生き写し、最後の内弟子宗助さん 墓前に「八十八」襲名を報告
2021/07/21 05:30
桂米朝さんの墓参りをした(右から)桂ざこばさん、宗助さん、米団治さん、南光さん=姫路市名古山町
人間国宝で、兵庫県姫路市出身の故桂米朝さんが名乗った俳号「八十八(やそはち)」を8月に襲名する落語家の桂宗助(そうすけ)さん(57)らが20日、名古山霊苑(同市名古山町)にある米朝さんの名誉市民墓をお参りした。青空の下、一門の桂ざこばさんや桂南光さんらと手を合わせ、墓前に襲名を報告した。
関連ニュース
新寄席誕生は1通の手紙から 上方落語協会へ「候補地にして」
両膝の人形が演じるおかしな西遊記 海外でも引っ張りだこ パペット落語・笑福亭鶴笑さん
50歳で失明後、50超のネタ会得 10年で高座復帰した全盲の重鎮落語家「やっとスタートラインに立った」
宗助さんは同県尼崎市出身で、板前経験などを経て24歳で入門。落語「二番煎じ」に登場する人名を高座名にもらい、米朝さんの最後の内弟子になった。
八十八は、旧制姫路中学(現姫路西高)の文集に作品を残すなど俳句を愛した米朝さんが「米」の字を分解して名乗った俳号。宗助さんは「生き写し」と言われるほど師と高座姿が似ていることもあり、一門から襲名を提案されたという。
この日は米朝さんの長男桂米団治さんらも参列。墓前に立った宗助さんは「師匠は晩年まで芸が枯れなかった。良いところをできるだけ継ぎたい」と話した。
南光さんは「直弟子の中でも米朝師匠を一番好きで尊敬しているのが彼。八十八をもらってますます大きな噺家(はなしか)になってほしい」と背中を押した。(地道優樹)