目の前にあるのに「1・9キロ先」の標識、なぜ? 理由はある対策だった

2021/09/07 05:30

「アクリエひめじ」までの距離を1・9キロと示した標識。実際は線路を挟んだすぐ先にある=姫路市北条

 1日に正式オープンした兵庫県姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」(同市神屋町)。そのそばを走るJR神戸線の南側で、市道沿いの標識に思わず首をひねった。北進車に対するアクリエへの道案内だが、右向きの矢印とともに1・9キロ先とある。建物は高架の線路を挟んだすぐ先にあるのになぜ? 標識を設置した市に尋ねた。 関連ニュース 直進できるのに、路面標示は「右折のみ」 県警、いつからミスか不明 誤って違反切符も 道路のない向きになぜ信号が? 20年来の謎、やっと解けた 兵庫・神戸の中心部に「バスの信号無視が多い」交差点 観察して分かった構造的課題

 「これは迂回ルートの距離です」と市文化コンベンション推進室の担当者。北進車がそのまま高架をくぐって進んでも、アクリエ前には中央分離帯があり、右折して駐車場へ入ることはできない。このため、ぐるりと迂回してもらう必要があるというが、それにしても1・9キロは遠回りだ。
 実は理由がもう一つある。渋滞対策だ。標識の東約300メートルにも南北に高架をくぐる道路はあるが、この通り沿いには2022年に「県立はりま姫路総合医療センター」(仮称)の開院が予定されている。緊急車両などの通行も増えるとみられ、市はさらに東の姫路署前まで迂回するルートを推奨することにした。
 また周辺には片側1車線の道路が多く、近くに信号も複数ある。警察の指導もあり、イベント開催時に入場待ちなどで渋滞が発生する可能性も考慮した。
 アクリエはJR姫路駅から徒歩約10分。市は公共交通機関を利用した来場も呼び掛けている。(山本 晃)

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