成人年齢、4月から18歳に引き下げ 詐欺、キャッチセールス…悪徳業者に注意を
2022/03/28 05:30
成人年齢の引き下げに伴う注意点などが解説されたセミナー=姫路職員福利センター
4月の民法改正で、成人年齢が18歳に引き下げられる。クレジットカードを作ったり、アパートを借りたりするなど、さまざまな契約が親の同意なく、1人でできるようになる=表。一方、若年層が被害者となる消費者トラブルが増えているため、中播磨県民センター(兵庫県姫路市)などは改正を前に啓発セミナーを主催。当事者の若者も参加した。(森下陽介)
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姫路職員福利センター(同市北条1)でオンラインを併用して開かれた。
講師は県弁護士会姫路支部の千葉真嗣(しんじ)弁護士。「欧米諸国の成人年齢は18歳が一般的。若者の社会参加を促し自己決定権を尊重する狙いがある」と解説した。
18、19歳は4月から、未成年者による親の同意がない契約は原則取り消すことができる「未成年者取消権」の対象外となる。千葉さんは「悪質業者は社会経験が少なく未成年者取消権で保護されない年齢を狙う。4月から18、19歳の被害が増える」と指摘した。
同センターによると、県内の10、20代の消費者トラブルは近年、年約500件ずつ増加し、2020年度は4731件に上った。
千葉弁護士は、スマートフォンで動画を見ようとすると高額請求の画面が表示されるワンクリック詐欺▽「モデルにならない?」などと街頭で声をかけるキャッチセールス▽無料体験などで強引な勧誘-などの具体例を挙げ、「手口を知り、おかしいと思ったら専門機関に相談を」と話した。
参加した大学生の男性(19)は「初回500円」の美容品を通販で購入したが、2回目以降は5千円で定期購入になることに気付かなかった経験があるといい、「泣き寝入りしていた。セミナーの内容を実践して今後はトラブルを避けたい」と話した。
消費者トラブルは消費者ホットライン(TEL188)で相談できる。