金額は「3¢(セント)」…「琉球切手」200点 沖縄本土復帰前の切手、50年の節目に公開

2022/05/03 05:30

琉球切手を紹介する田中孝史さん=姫路市飾磨区阿成鹿古

 沖縄の本土復帰50年の節目に合わせ、兵庫県姫路市飾磨区阿成鹿古の高浜公民館で、「沖縄切手展」が開かれている。返還前に発行された「琉球(りゅうきゅう)切手」約200点を展示。主催する田中孝史さん(76)=同市白浜町寺家=は「沖縄がアメリカに統治されていた歴史を知り、人権や平和について考えてほしい」と話す。 関連ニュース 平和願い、歌い継がれる「月桃の花」 沖縄「慰霊の日」60年 歴史の継承どう取り組む 沖縄の高校生失明事件、動画撮影された警察官の「驚き」の言動 小川泰平氏が現地で証言者を直撃 遺骨含む土砂、辺野古埋め立てに使わないで 兵庫の市町議会でも意見書可決

 沖縄は敗戦後、米国統治下に置かれ、1972年5月15日に日本に返還された。田中さんは返還直前の同年4月下旬から約1週間、交流事業で沖縄を訪問。記念に切手を20枚ほど購入した。以降も収集を続け、計200種類を集めた。
 琉球切手は米国統治下の琉球政府が発行。田中さんによると約250種あるという。沖縄の染め物「紅型(びんがた)」や熱帯魚などの絵柄に「琉球郵便」と記され、「3¢(セント)」などと金額が表示されている。
 会場では「沖縄慰霊の日」に発行された白百合(しらゆり)が描かれた切手や、返還協定批准を記念して日米の国旗、平和の象徴のハトをあしらったものも目を引く。田中さんは「返還直前に訪れた際は、車の右側走行や米軍機の爆音に戸惑い、海と空の青さに魅了された。切手を通して平和学習などに関心を持つ人が増えてほしい」と願う。
 15日まで。入場無料。午前10時~午後4時半。月曜休み。(安藤真子)

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