<播磨びと>「手柄ザクラ」歌うシンガーソングライター・福永悠加さん こだわる地元、歌で彩り

2022/08/01 05:30

シンガーソングライター・福永悠加さん

 昨年、新品種に認定された兵庫県姫路ゆかりの「手柄ザクラ」。今年4月下旬、同名のバラードを作詞作曲し、リリースした。遅咲きの花の季節に合わせて新生活を応援する歌詞とメロディー。「ずっと地元で活動してきて、この歌でまた、たくさんの人に私を知ってもらえた」とほほ笑む。12月にアクリエひめじでソロコンサートを予定し、準備に奔走している。 関連ニュース 歌唱力がはんぱないと思う俳優ランキング 3位は菅田将暉さん 2位は福山雅治さん 1位は? 谷村新司と出会い、青春時代過ごした神戸は「僕らの原点」 堀内孝雄デビュー50周年 歌手・加藤登紀子さん チャリティーアルバム発売でウクライナ支援

 姫路生まれ、姫路育ち。歌が大好きな子どもだった。両親の影響で、松田聖子さんや高橋真梨子さんのCDを聞いては耳で覚えて歌う毎日。一方、歌や楽器を習った経験はなく、楽譜も読めない。人前に立つことも苦手だった。
 転機は高校3年生の時に訪れた。大好きなaikoさんのインタビュー記事を読み、彼女が卒業した音楽短大のボーカルコースは入試科目が歌だけだと知る。「これなら私にも受けられる?」
 周囲には無謀だと言われたが、カーペンターズのヒット曲を歌って合格。しかし、入学後が大変だった。「同級生は才能も個性もあるすごい人ばかり。私は何もできない」。一時は「もう歌いたくない」とまで思い詰めた。
 それでも辞めなかったのは、引っ込み思案の自分が、歌詞に乗せてなら日々の気持ちを表現できたから。卒業後は「地元で力を発揮したい」と、姫路周辺のライブハウスやイベントに声を掛け、歌う場を必死で探した。数年は観客ゼロの時もあったが、地道にやってきて今がある。「好きなことを続けていくことが大切。それを伝えていきたい」(上杉順子)

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