伝統的工芸品「姫革細工」のキャッスルレザー 来春に直売所開設、体験工房も
2022/08/24 14:30
鮮やかなデザインが映える姫革細工を手にする水田久司さん=キャッスルレザー
兵庫県指定の伝統的工芸品「姫革細工」の製造元・キャッスルレザー(同県姫路市夢前町寺)が来春、小売り事業に進出する。県道80号(宍粟香寺線)沿いにある本社内に体験工房を備えた直売所を開設。夢前エリアの新たな観光スポットとしてアピールする。
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姫革細工は、姫路で白くなめした牛革に型を押し、顔料を筆で絵付けした革製品。温かみのある天然の白さと高い強度が特長で、多くの工程を手作業でこなし、札入れやハンドバッグなど幅広い用途の品が作られる。
県によると、白くなめした革は4~5世紀に姫路地域に登場。戦国期には鮮やかに染色され、甲冑(かっちゅう)や馬具の装飾に使用された。技術や技法が受け継がれ、県伝統的工芸品の指定品目となっている。
同社は水田久司社長の父が姫革細工の修業をし、1985年に法人化。現在、県指定の製造元は同社のみという。11月をめどに既存建屋を改修し、体験工房と直売所とする。
水田社長は「夢前エリアには書写山や温泉もあり、伝統の姫革細工作りや買い物ができるようにして観光客が市北部へ足を延ばすきっかけになれば」と話している。(段 貴則)