ここは姫路城、夜の大天守。手元の明かりを消すと、目に飛び込むのは… 豪華!初のナイトツアー開催中
2022/09/25 18:05
夜、大天守の内部から姫路を見下ろす夜景はまさに「プレミアム」=姫路市本町(撮影・大山伸一郎)
夜の大天守。暗闇の中を、かすかな手元の明かりを頼りに進む。まるで忍者にでもなった気分だ。世界文化遺産・国宝姫路城(兵庫県姫路市本町)で今月、初の夜間ツアーが開催されている。夕食、お土産付きで1回10人、1人5万円という豪華な一般枠はすでに完売のため、関係者内覧会の様子を紹介する。(安藤真子)
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入城口は通常、午後5時閉門で夜間は非公開。来年、世界遺産登録30年を迎えるのを記念した特別企画だ。たそがれ時にツアーはスタートする。市立城郭研究室の工藤茂博学芸員がガイド役で、細部を解説してくれる。
最初の見どころは、城内21カ所の門のうち最も大きい「菱の門」。高さ約12メートルの2階建てで、この建物だけでも国の重要文化財でもある。通常は閉まっている門扉を、特別に手で押し開けるという趣向だ。金具が埋め込まれたケヤキ材の重厚な扉が、ゆっくりと開いていった。
城内のどこを通るのかの詳細は、全申込者が体験する今月30日までは口外を禁じられている。大天守内部は照明が消され、ちょうちん型の明かりを手に5層6階の最上階を目指す。
「江戸時代の暗さを体験してみましょう」。工藤学芸員の呼びかけで手元の明かりも消し、南向きの木窓を開けると、城下町のまばゆい夜景が目に飛び込んでくる。いぶし瓦の銀色、しっくいの白さとの対比が美しい。今度は城主気分を存分に味わった。