表札や結婚式にぴったり、見る角度で変わる「立体文字」 姫路の会社が製品化「町工場の技術力感じて」
2022/11/05 05:30
積誠庵が手がけるツインオブジェ=同社提供
右と左、見る角度によって異なる文字になる一見不思議なオブジェを、機械修理や金属加工を手がける兵庫県姫路市林田町下構の「積誠(せきせい)庵」が手がけている。制作にはデジタル機器を活用。「ツインオブジェ」などと名付けて受注販売中で、森浩典社長(38)は「2世帯住宅の表札や結婚式など、人と人とのつながりを表現するのに最適。町工場の技術力も感じてほしい」と話す。
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同県明石市出身の森社長は元自衛官。知人の勧めで畑違いのものづくりの世界へ飛び込み、茨城県の町工場で基礎を学び、2018年に東京や中京圏への交通が便利な静岡県富士市で積誠庵を立ち上げた。その後、新型コロナウイルス禍の影響で受注が減り、今年2月、林田で空き家になっていた父の実家へ一家で移住した。
オブジェ誕生のきっかけは約2年前、偶然に見かけた美術関係の書籍で、左右で異なる模様が見える立体作品に目が留まったことだった。「工場でも作れるはず」。半年間の試行錯誤を経て、デジタル機器を活用して製品化にこぎ着けた。
主に5センチ四方のアルミブロック製で、コンピューター利用設計システム(CAD)などで製図し、自動工作機を用いて1文字ずつ形作る。細かい作業が必要な部分が多く、ゆっくりと丁寧に削るため、1ブロック作るのに2日程度かかるという。
1ブロック5万円から。漢字や企業のロゴにも可能な限り対応する。森社長は「若い世代や子どもたちに、ものづくりへ関心を持ってもらうきっかけにもしたい」と話す。積誠庵TEL090・9858・3839
(山本 晃)