田舎にも“ウーバーイーツ” 酒販店が出前サービス

2021/01/21 05:30

出前サービス「いなか出前亭」のユニホームでPRするスタッフら=藤井酒販

 新型コロナウイルス禍で、都市部を中心に急速に需要が高まっている料理の宅配を展開しようと、創業1889(明治22)年の酒店、藤井酒販(兵庫県西脇市鹿野町)が20日、出前サービス「いなか出前亭」をスタートさせた。3月末までをプレ期間とし、西脇市内6店舗のメニューと共に、酒類などの飲料も届ける。(長嶺麻子) 関連ニュース “ウーバーイーツない”から超小型EVカーで宅配サービス タクシー会社4社が料理配達サービス 飲食店と連携 オンライン飲みに、かつおの塩たたき、ローストビーフ… 神戸の居酒屋チェーンが宅配


 昨年4月の緊急事態宣言で、同店と取引のある飲食店は時短営業か休業に。収束の見通しも立たない中、藤井英理社長(50)は「ウーバーイーツのようなサービスができないか」と、飲食店との交渉に加え、注文サイトの構築など半年以上かけて準備を進めてきた。
 注文はいなか出前亭のサイトで、配達希望日時と、店舗ごとのメニューからオードブルや弁当などの料理を選択する。藤井酒販が提供する缶ビールや生樽とサーバー、ソフトドリンクも合わせ1万円以上(税込み)になると2千円の宅配料が無料になる。プレ期間中は宅配料500円の返金制度もあり、注文は1店舗決済(飲料除く)で、配達まで最低5時間は必要。
 加盟店舗は、やきとり・旬魚・旬菜 貴心▽みのり庵▽お好み焼き工房つばきや▽肉処樹▽らーめん八角西脇店▽けんしん亭-の6店で、実店舗では食べられないデリバリー限定のメニューも展開。宅配に使う車両は抗菌塗装を施し、除菌、脱臭効果のあるオゾン発生器も設置した。配達は住吉町と黒田庄町門柳を除く同市内全域。
 年末年始の売り上げは大幅に落ち込み、緊急事態宣言の再発令で、注文の電話はなかなか鳴らないという藤井社長。「コロナ禍もそうだが、この地域は少子高齢化の課題もある。都会のような便利さや、必要とされるものを地域密着型で提供していきたい」と話す。藤井酒販TEL0795・22・4322
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