「加西をPRしたい」北条高放送部の映像作品、2大会で全国へ

2021/07/06 05:30

鶉野の戦争遺産などをテーマに制作した「レガシー」と放送部2、3年生たち=北条高校

 北条高校(兵庫県加西市段下町)の放送部がNHK杯全国高校放送コンテストと、全国高校総合文化祭に出場することが決まった。それぞれの出品作は、鶉野飛行場跡(同市鶉野町)や周辺の戦争遺跡とそこでガイドをする北条高校の生徒などをテーマにした「LEGACY(レガシー)」と、地元の書店を取り上げた「ウチらの本屋さん」。いずれも初めての全国舞台で「上位進出を果たし、加西のPRをしたい」と意気込む。(小日向務) 関連ニュース プレゼン甲子園、ビジネスプラン、全国総文・写真部門…夢の舞台へ 佐用高生4人、3分野で全国大会へ 独自の感性で風景など撮影 淡路高メディアアート部写真展 吉川高の女子生徒、全国総文出展へ 書道部から3年連続


 NHK杯に出品した「レガシー」の制作は約2年前の夏に着手。同校では人間創造コースの探究などの授業で、鶉野飛行場跡について学び、来場者にガイドをする活動をしていた。戦争遺産や、それを紹介する生徒、戦争経験者の話、鶉野を飛び立った特攻隊員の遺書などに加え、平和などをテーマに開いた作文コンクールに入賞した同校生についても盛り込んでいる。
 昨年の県総合文化祭に出品、銀賞を受け、今年の全国総文への出場推薦につながった。
 「レガシー」は7分の作品だが、全国総文は制限時間が5分。内容的に短縮は難しいと、新たな映像などを加えて、作り直した作品をNHK杯に出品し、県大会で優勝、準優勝に次ぐ、優秀賞を受けて全国大会への出場が決まった。
 制作代表の後藤綾音さん(3年)は「戦争という重いテーマと高校生をどのように組み合わせるか-が一番大変だった」と振り返る。戦争の経験を聞いた高齢の女性が6月に亡くなったこともあり、「今でなくてはできないと、改めて分かった」と話す部員もいた。
 一方、「レガシー」の代わりに全国総文に出展した「ウチらの本屋さん」は加西市内の西村書店がテーマ。北条高校生らの証言や、店主のインタビューなどで構成した。制作代表を務めた織田夏帆部長(3年)は「多くの人に見てもらって、『加西にはすごい書店がある』と知ってもらいたい」と話した。
 NHK杯はオンラインで開催。10日に準々決勝、26、27日に準決勝、29日に決勝がある。一方、全国総文は8月4、5日に和歌山県で開かれる。

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