迫力の狂言に熱い視線 加東市の小学生、伝統文化を鑑賞
2022/01/19 05:30
茂山逸平さん(左)らが演じた「附子」の一場面=やしろ国際学習塾
地域の子どもたちに、本物の伝統文化に触れてもらおうと、大蔵流狂言の茂山逸平さんらが18日、やしろ国際学習塾(兵庫県加東市上三草)で狂言を上演した。新型コロナウイルス感染症対策のため、市内の小学6年生が午前と午後に分かれ、合わせて約330人が迫力ある舞台を鑑賞した。
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「体験する伝統文化 はじめての狂言」と題して加東文化振興財団が主催し、今年で2回目。ホールには足拍子の響きをよくするため、所作台と呼ばれる台を敷くなど、本格的な能舞台を設けた。
上演前に、茂山逸平さんが狂言について説明。「日本で最も古いお笑い」と表現し、「マイクも舞台もない時代だけに、大きな声で、動きも大げさで、ゆっくり演じている」と解説。子どもたちは興味深そうに話に聞き入った。
舞台では、茂山宗彦さんが柿を無断で食べた山伏が動物のまねを強いられる「柿山伏」を熱演。茂山逸平さんらが「附子」を演じ、ユニークな表情や動きで会場の笑いを誘っていた。
「教科書では伝わらない狂言の迫力が舞台では感じられる」と同財団。「いずれ世界へ出た子どもたちが日本文化を伝えるきっけになれば」と今後も鑑賞教室を継続する意向。初めて見たという滝野南小の男子児童(12)は「体に響くような声の大きさにびっくり。歩き方も新鮮で面白い舞台でした」と笑顔で話していた。(中西大二)